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どうしようもないほどに。
自分の愚かさがあちこちに落ちていて。
ギッと歯ぎしりするものの。
それは解決には繋がらず。
かといってどうするべきか。
それが自分にできるのか。
わかっちゃいない。
愚か＝ダメなんて、誰も言ってない。

いつか自分が愚かでなくなったとするなら。
それはどんな自分だろうか。
きっと道具としてさぞ優秀だろう。
人のいう当たり前をすべて理解していて。
人のいう平和を、幸せを、心底願っているだろう。
そんな風になってしまうぐらいなら、オレは死んだ方がマシだと思うけど。
そういう人間なんて他にいるだろうに。
オレがそれになってやる義理は無い。

我が儘な自分。
人の理想はオレの理想じゃない。
それ自体がそもそもの愚かさだと思う。
オレが願うものは不要なものだ。

本当にあるべき形。
それは自由でもなく幸せでもない。
自分に振り回されることだ。
他の誰かの言葉は助言であって命令じゃない。
それを聞き入れるのは自分だ。
そしてそうあるために大事なことは。
何故そう言われたかを常に考え、自分に伝えることだ。
それを知っても尚、何かを求める自分に
振り回されるだけの心が必要だ。

まだまだ子供な自分のために。
まだまだ未熟な自分が一つ一つ、自分に教えていく。
これは、こうなると、こうなってしまうんだ。
だから誰かはこういうんだよ。
心配してくれてるよ。助けを求めてるよ。
笑顔をわけてくれているよ。
どうする？と聞いて。
「面白くないから壊すよ」
と、笑顔で答える自分を、許してやれる自分が必要だ。

オレはメチャクチャなことを言い出す自分を嫌いにはなれない。
むしろ愛してる。でも、それ以上に不要だと思ってる。
メチャクチャを楽しんでいるのは自分であって誰かじゃないんだ、と。
だから邪魔にしかならないんだ、と。だから不要なんだ、と。
でも。それでも。
誰も殺してくれない。誰も恨んでくれない。
だからいっそ。自分を自由にして、本当にメチャクチャにして。
不要だと言うことを証明すればいいと思う。
どうせオレは、不要と判断して殺すこともできないほど無力なんだし。

のんきに笑う自分がいる。
遊んでくれとやかましい自分がいる。
かまってやると、それはそれは楽しそうに笑う。
その顔は血なんて生温いものじゃ済まされないほど、
醜く薄汚れている。
あぁ。あんたは楽しいかもしれない。でもさ。
あんたはいらない子だとオレは心底思う。
今のオレはあんたを大事にできない。
あんたの可能性にオレは怯えてる。
オレじゃ役不足だなんだよ。

背中にガリガリと爪を立てられているような感覚。
悔しいとか。嫌だとか。やめろとか。
それこそ、向き合うべきもの。
過去のオレが背負って来たもの。
過去のオレが導き出した答え。
オレは今の自分のために、それを捨てればいい、とは思わない。
なくしてはならない。大事な大事なもの。
オレは知ってる。
何が、何故、悔しいのか。
何が、何故、嫌なのか。
何を、何故、やめるべきなのか。
繰り返したくない過ち。
求めていない結果。
積み上げてきた何かが警告する。
でも。それは何のための警告なのか。
結局は自分を守るため。
自分の気持ち、願い、夢、あれやこれや、今自分の中にあるすべて。
根底から崩されないように。
守るために。
でも。オレは。
今の自分を守るためにここにあるんじゃない。
理由を作ることはできる。でもそれは守ることじゃない。
オレは。本当は。
見てみたいもの、触れたいものがたくさんある。
そして自分の中で疼いている何かを吐き出したい。
どうしても。どうしても。
他人には通じない理由だとは分かってる。
だから。どうか。
どんなに小さくてもいい。
一番大事なものを。揺るがない、確固たる何かを。
オレは。見つけたい。
それを守るために。
オレは存在していたい。
オレはオレに守られたいんじゃない。
オレはオレを守りたいんだ。
怯えの向こう側で悲しんでいる自分を。
本当は。守りたいんだ。

自分の心に足りないもの。それは知識でも技術でも、友達でも環境でもない。
今ある事実に振り回されても尚、自分が自分でいるための覚悟だ。
自分の思いが他人に伝わらないことなんか重々知ってる。
自分の思想を他人に押し付けても意味を成さないことを重々知ってる。
でも大事なことはそんなことじゃない。
自分が、今、これから、何をしていくのか。
それを自ら決めることだ。
人の理解が得られないからなんだ。
人が傷付くからなんだ。
自分が誰かを殺したくなったって。
何かを奪いたくなったって。
それが自分であることに違いはない。
今、自分の中にないものを理由に、自分に何かを言ったって無駄だ。
納得できるわけがない。
自分はそれを知らない。
それでも自分は存在してしまう。
自分が自分として生きる代わりに、今世界に存在するものが、
自分を拒んでも文句を言えるはずがない。
そのすべてを自分が理解しているわけじゃない。
でもだからこそ。世界が自分の存在を許す限りは生きていられる。
拒んでくれないのなら、生きていられる。
自分が人の人生を台無しにしないとは言い切れない。
自分が人を殺さないとは言い切れない。
自分はどんな自分にだってなる。
どんな自分にだってなれる。
だからこそ、自分を理解していない誰かなんかに構ってなんかいられない。
自分が自分として心の底から生きて、いつか世界が自分を殺してくれるまで。
自分はこの世界で良くも悪くもすべての可能性を追って生きていたい。
あるはずなのに見えていないものを、すべて目の当たりにしたい。
霞んで消えてしまいそうな可能性ほど、掴み取れるような自分でありたい。
最高な人生も、最悪な人生も。自分に刻み込んでやりたい。

褒められたって喜べない。
その言葉の指す意味を知らない。
言葉一つ一つを砕いて呑み込むまでの時間もかかるし、
かかったところで『本当のこと』を知ることはない。
遠い遠い出来事ばかり。

知ってる。知らない。
知らない。知ってる。
言葉がすべて嘘になって散る。
その無力さ。愚かさ。
嫌になる。