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個人的な感情が無意味になっていく。
そんなことは昔からそうだったはずなのに。
はっきりと、無意味になっていく。
嫌だ、嫌だ、と言っていたことが。
逃げることのできない現実にすり替わっていく。
どうして。
こんな。
あまりにもオレには不釣合いなのに。
納得できない。
でも逃げられない。
時間は止まらない。
どうして。
どうして。

言い訳をする自分に腹を立てる。
でも。おかしい。
オレが言い訳をしているのは。
オレ自身のことであって、他人のことじゃない。
与えられた義務でもなんでもない。
言うなれば、期待に対する言い訳。
オレは、何かを期待されている。
何かを求められている。
それも、オレに。
気持ち悪い。
どうして。
やめてくれ。
オレじゃない。
人に認められたいのはオレじゃない。
求められたいのはオレじゃない。
やめろ。
聞きたくない。

認められることが怖い。
気持ち悪い。納得できない。
過去は消えない。
消えるはずがない。
オレは今も昔もオレで。
何一つ変わりはしない。
オレはこんなにも醜いのに。
何故。
何故だ。
オレの訴えを何かが軽く受け流す。
微笑む。
やめてくれ。
オレは。
そんなもの。
欲しくない。
お願いだ。
殺してくれ。
それだけなんだ。
それだけなんだ。

自分のすぐそばに、何かの気配がする。
自分に抱きついて、離れない。
酷くオレのことを思っているようで。
ちょっとしたオレのしぐさに反応する。
次第に「本当にオレの意志が伝わっているのか」とすら錯覚しだして。
オレの意志で、その何かを操作できるようにすら思えてくる。
深く、深く、自分に食い込んでくるような気さえする。
何故そんなことをするのだろう。
いろいろ納得できない。
でも、そんなオレの態度すら、それは呑み込んでいく。
あぁ。
嫌になる。
何もかも。
嫌になる。

否定されない。
否定されると信じていたのに。
否定されない。
納得できない。
オレは。
認められるべきじゃないのに。
どうして。
オレに必要なのは不幸だ。
なのに。こんな。
嫌だ。
認めたくない。
お願いだ。やめてくれ。
オレを愚かだと言ってくれ。
お願いだ。