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何かを得ている・・・気がする。
誰かが笑ってくれている。
誰かが喜んでくれている。
・・・そんな気がする。
どうしてそんな気がしてしまうのだろう。
おかしい。
オレは何も得ていない。
オレは誰に何も与えられていない。
なのに。
何故？
オレが一体何をした・・・？

オレは人間だ。
どうしようもなく、人間だ。
そんなことは分かってる。
でも。
どうしてだろう。
何かに抵抗しようとしてる。
根本的な、何か。
神が。
オレを呑みこむような。
そんな感覚。
違う。
ありえない。
じゃあこれはなんだ。
この感覚はなんなんだ。
この気配はなんなんだ。
消し去りたいのに消えない。
この得体の知れない何かは。
どうしてオレをこんなにも。
泣き叫ぶオレを。
それは優しくなだめる。
あぁ愚かしい。
オレはどうしてこんなにも。
馬鹿なんだ。

己の愚かさが目に付く。
どうしてこんなに愚かなのか、と罵倒する。
散々罵倒しているにもかかわらず。
コレは言うほど反省した様子を見せない。
何故だ。
昔なら反省していたのに。
より馬鹿になったか。
腐ったのか。
オレはこんな自分を認めるわけにはいかない。
なのに。
どうしてコレはここでこんな。
ひっそりと、存在しているのだろう。
なくても同じじゃないか。

気持ちが急く。
心が溶け出して。
意識がついていかない。
巻き上げられて。
オレは。
どうして。
こんな。
いや、そもそも。
誰が。どうして。こんなオレを。
認め、突き動かそうとしている？
何のために？
分からない。
分からない。
怖い。
やめてくれ。
壊したくない。
怪我したくない。
ただ、ただ。
願う。

自分の心を見つめる。
自分の中にある神を見つめる。
最近。
神がオレを侵食していくように感じる。
オレが神に染まっていくような気さえする。
まるで息吹をかけられ、
自分の中のいろんなものが洗われるような。
そんな気分になる。

神に接すると、意識が白濁とする。
自分と神との境界線が曖昧になっていく。
昔はこんなことなかったのに。
深く、深く、溶け込んでいく。
『自分』に対して抱いていた思想や感情が狂い出す。
深い深い何かに浸っていく。
ふと。
何かを抱きしめる。
何かから何かが飛び出していく。
そしてオレに溶け込んでいく。
感情が流れる。
優しい何かに何故か泣きそうになる。
そしてまた静まって。
落ちていく。
深く。深く。

違和感だけが残って。
挙句、眠りに落ちていく。