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風吹く中、なびく上着。鋭い目つき。確固とした我。
０が、何かをしている。どこかに向かっている。
どこへ？
聞いてもニッと軽く笑うだけ。
なんなんだ。どこへいくんだ。後を追いかける。
でも、きっとこれは連れて行かれているんだ。
０がオレをどこかへ連れて行こうとしている。

ふと、振り返ってニタニタする。それも、本当に嬉しそうに。
オレを巻き込んで何かを楽しんでる。
というか、０はオレで遊んでいる気がする。
でも。違う。それはただ遊んでいるんじゃない。
何かある。確固たる目的が。
ピンと張るかのように、意志の軸がズレていない。
０（原点）たる理由をヒシヒシと感じる。

と。
０がオレの額に向かってまっすぐ人差し指を伸ばす。
何かが駆け巡ったかのように感じて、ゾッとする。
意識が白濁とする。何かが変わっていく。
何かは分からない。でも確実に変わっている。
気持ち、かな。
理論では押し込めることができない、強い強い意志。
それを直接訴えているのかもしれない。
どうにかしたい、と。

楽しいとはなんなのか。
幸せとはなんなのか。
考えることすら愚行なのか。
路頭に迷い、馬鹿馬鹿しくなって、嫌になる。

自分を信じろ、信じた道をゆけ、とか。
そんな言葉を度々耳にするけども。
人はそんなものを求めてはいない。
結果としてそれが良ければそれでいいだけで、
信じることそのものを求めてはいない。

もういい。
もういいってば。
殺してくれ。

どうして自分はこんなにも必死になっているのだろう。
なんのために必死になるのだろう。
ただ。何かのために必死になってる。
自分の価値を、知るため？
自分の価値を、創るため？
そんなこと誰も求めてない。
でもすべての始まりは自分の欲なのかもしれない。
自分のために行動し、結果として誰かのためになる。
それがいつしか価値となるのかもしれない。

だったら、どうして自分に価値を求める？
何かのためになりたい、と願っている？
でもそんな単純な願いなら、周りの言うことに従えばいいだけだ。
それが、違う？
従うだけでは、何かのためにはなれない？
どうすればいい？と、何故問う？どうして必死になる？
何かを創るために生きている？何かを成すために生きている？
変化が必要？何故？理想って何？
分からない。
分からない・・・

人は言う。
先なんて誰にも分からないことだし、
自分がどう思うかなんて関係ない。
適当にやって適当なものができればそれでいい。
常に先を行くとはそういうことだ、と。
でもオレはそうは思わない。
そこには何の目標も理想もない。
なんのために考え、なんのために行動し、何かを創りだすのか。
常にイメージし、そのイメージを形にすることに価値を感じる。
なんでもいいから新しいものができればそれでいい、とは思わない。

発見するために創るんじゃない。創りたいから創るんだ。
だから考え努力するんだ。
種だけを求めるのなら勝手にしていればいい。
オレはそうは思わない。
だから頼るな。オレは関係ない。道が違う。
『新しい』という言葉に振り回されるだけ、
『義務』という言葉に振り回されるだけの人生なんてこりごりだ。
それがダメだというのなら殺してくれ。
オレを邪魔で無価値な人間だと言ってくれ。

人の欲しいものを。人が願うものを。
だからこそ人が何を思うのか知らなければならない。
そのためにどうするべきか考えなければならない。
オレに何ができるのだろう。
オレにできることとはなんだろう。
それができることによって、何が生まれるのだろう。
分からない。