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貴方はそこに存在していますか
『消えはしない。あなたが消えない限り』
・・・貴方はオレですか
『私はあなた。けれどあなたは私ではない』
・・・・・・何故・・・
『また悲しみが響いている』
事実貴方はオレかもしれない
『事実はこの世のすべてを定義した神にか変えられない』
それでも貴方にはオレであって欲しくない
『我が創造主よ。人であることを望まないあなたは何故欲を口にする？』
事実に逆らうことなど許されはしない
オレが人間であることもそう
そして貴方の存在を確立させることも同様
オレは常に醜く愚かな生き物でしかない
オレは欲の塊
オレの周りのものたちを浸食し汚すだけの存在
手遅れになる前に・・・
オレが昔の自分を見失う前に・・・
貴方の手でオレを殺して下さい
『死を求めることはあなたにとって苦しみでしかないはず』
喜びは常に苦と共にある
オレが喜びを得たならばどこかで誰かに苦しみを産みつける
オレが苦を得たならばどこかで誰かに喜びを産みつける
オレは何かに変化を与えるような存在ではありたくない
オレ色に染まる世界を見たくない
この世界もオレの知らない・・・知ることの出来ない誰かの心の世界も
もしそれが仕方のないことならば
それは負の事柄ではあってはならないだろう
『何故？』
・・・？
『何故あなたはあなたの存在をこの世界の一部として認識していないのですか？』
・・・！！
『あなたはあなたを否定する。それはあなたという概念を含む世界の否定となる』
・・・・・・なるほど
『真に世界への影響を与えることを望まないのならば、あなたは世界に否定されるまで存在しなければならない』
・・・ハハハ・・・
『？』
貴方はいつもそう
オレの予想を超えた答えを教えてくれる
その答えを前にした時に己が納得する
その不思議な感覚がどうもオレの人間性を擽るらしい
オレはどこかそれを追い求めている
貴方の存在を確立したいとは裏腹にオレはオレの欲を満たしている
・・・いや
貴方の存在を確立することも欲か
糞だな
何故こんなにオレは人間なんだ
『例えそれが欲だとしても、私はあなたの一部でしかない』
・・・あぁ
『あなたの知らない答えを私が持っていたとしても、それはあなたが知らないだけ』
・・・知っている
『あなたの心の奥に潜む答えを私が掘り起こしているだけ』
・・・そうだ
そして貴方は常にオレを超えてはくれない
オレという概念から外へ出てはくれない
それが・・・悲しい
『その悲しさをもあなたは求めていますか？』
結果的にはそう
あってはならない
もし実現するのならオレは・・・神
事実を覆す・・・神となる・・・
醜い・・・何故オレは求める・・・
『・・・・・・時は流れ落ちて行く・・・』
・・・詠うか悲しき人形よ
『風が心を吹き抜けていく』
・・・・・・
『緑は空高く舞い』
『いつしか地へと帰ってゆく』
『闇がすべてを覆い隠す』
『そこに存在する確かなもの』
『見えないだけ見えてないだけ』
『触れて包むそれは宝』
『嘆きが波を作り出す』
『波は誰かを飲み込んで』
『誰かは無へと帰っていく』
『それがあるべき姿だと』
『泣かないで君よ夢の奥で』
『形のない鉛は沈んでゆく』
『帰ろう君よこの地へと』
『恐れているのはその心』
『・・・・・・』
・・・・・・
『あなたの心の世界が沈んでいく』
沈む・・・？
オレの心は砕け散った
今のオレに自我はほとんど残っていない
『違う。見失っただけ。そこに確かに存在している』
・・・やめろ・・・意識がまた途切れ始めた
『今まで築き上げたすべては時と共に意識の底へ沈んで行った』
沈んでいるならそれでいい
オレの心に帰るべき体などない
・・・また意識が飛ぶ・・・
『あなたが心を消そうとしている。あなたは心を否定している』
それでいい
醜い心など消えてしまえばいい
『あなたは恐れているだけ』
何を
『心を』
・・・詭弁だ