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「・・・・・・どうして・・・どうして・・・っ・・・」
お願いだからもう泣かないで・・・
「どうして・・・！！貴方が真に求めたのは、みんなの命を奪わないことだったでしょう・・・！！？」
分かってる・・・だから泣かないで・・・
「分かってないじゃない・・・！！貴方のしてることは矛盾してる！！みんなの命のためにとか、一見まともな理由を付けて、自分を生かして・・・みんなの命を喰らってる！！それじゃ偽善者じゃない！！今、人がやってることと何も変わらない・・・！！」
分かってる・・・分かってるから・・・けれどこれ以上放っておけば悪化するだけでしょう？
「だからこれからのために今奪ってもいいの！？違うでしょ！！？大体人間が奪った場所をみんなに返すなんて・・・そんなの誰が許すの！？」
大丈夫・・・世の中そこまで廃れてないから・・・人は今の世界の間違いに気付いてる・・・
「だったらもう改善されてるハズじゃない！！人は人以外のために犠牲を出して動く気はないんだよ・・・！！大体人は今、幸せじゃないか！！貴方だけ・・・自分だけが・・・幸せを奪うという間違った答えを導いてしまった・・・間違ってるのは・・・自分だけ・・・！！」
お願いだからもう逃げないで。大丈夫だから。間違ってないって・・・オレだけじゃないって・・・証明してくれた人がいたから・・・
「それで何が変わるの！？何も変わらない。手遅れなんだ。すべて消えていく。ならせめて死ねばオレの場所が空くから・・・オレのこれからがなければ、せめてオレが奪うものがなくなる・・・しかも間違いが消えるんだから・・・それでいいじゃない・・・もう・・・いいじゃない・・・死のう・・・？」
じゃあ貴方が間違いでも求めたものは何だった？死じゃなかったでしょう？共存・・・だったでしょう？
「今更人にみんなと共存して欲しいって言えばいいの！？誰がそんなの真面目に聞くの！？」
貴方は自分だけでなく他人も信じないつもりですか？
「・・・・・・自信過剰・・・自己中・・・誰も・・・聞かないよ・・・オレの話なんか・・・」
そうやって他人に否定される前に自分で否定して・・・誰かに否定されることが怖いんじゃないんですか・・・？
「否定された時点で他人の意図から外れてるじゃない！他人の考えを侵食して・・・傷付けて・・・オレのために他人を傷付けるなんて・・・そんなの自己中じゃない・・・」
・・・・・・あぁ・・・そう・・・だね・・・
「もう・・・見たくないよ・・・バッタが苦しい意思表示に吐き出す黒い液体も、路上に散らばったカマキリの紫色の羽も、ゼリー状の体液を流して死んでいくダンゴムシも、体がバラバラになったカブトムシも、干からびて骨だけになったカラスも、車にひかれて内臓が飛び出した狸もイタチも・・・！！」
分かってる・・・分かってるから・・・
「蝶の羽をもいで、バッタの足をもいで、ハムスターを２０匹も飢え死にさせて、クワガタの自由を半年も奪って・・・首のない血みどろのネコを見て笑ってつついてえぐる・・・！！」
・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・
「・・・死ねよ・・・ホント・・・」
ごめんなさい・・・でも・・・今は・・・
「言い訳するの！？もう・・・いいじゃない・・・」
今は・・・もう・・・オレは貴方だけのモノじゃないから・・・
「・・・！！」
たった一人でも、オレであればいいと願ってくれた人がいたなら・・・オレは・・・それでいい・・・
「人間！！理由もなしにそんなことで許される問題じゃないのに・・・！！いつもそう！生きていればそれでいいとか、死ぬなんて邪道とか、人は一人じゃ生きられないとか！そんなの理由でもなんでもないじゃない！生きるのも死ぬのも勝手だろう！？一人でも生きられるだろう！？怖いとか寂しいとか、そんな感情が理由になるなんて有り得ないよ・・・！！」
そんな貴方も人の間違いを正せないと諦めて感情のまま殺そうとしたじゃない。今も貴方は感情のまま泣いているじゃない・・・
「・・・っ！！」
オレは・・・足掻いても人間なんだ・・・ごめんなさい・・・
「・・・・・・馬鹿・・・」