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勝手な世界観を構築するべからず


ぼぉ〜・・・
今日は。
教授に。
ふと変な質問をした。

「教授の目的はなんですか」

返答は。
「僕の目的は、まあ学生とは違ってゲームを作りたいとかそういうのじゃ・・・」
「いえ。学生に対していろいろ言ってますが、それの目的はなんですか」
「あぁ、それは僕の研究室に入った時点で・・・」
と、ここまできて、先輩が別の話題で乱入。
その先は聞けなかった。

おそらく。
教授は自分の研究室に入って来た学生すべてに対して、
自分の意志を汲んでくれる学生であることを前提にしてる。
憶測でしかないけども。
でも。もし。そうなら。
教授はそれこそ学生にビットが立ってるか立ってないか、
としか見てないんじゃないんだろうか。
On or Off.
この学生はOKを出したのだから。
何を言っても問題ない。何を頼んでも問題ない。
そんな捉え方をしてるんじゃないだろうか。

となると。
教授は学生のグレーな部分を受け入れてない、ということになる。
それこそ、学生の人間らしい部分を受け入れてない。
学生の性能、仕様。それさえ把握できればいい。
あとは、自分の質問に対するビットが立ってるかそうでないか。
別に、教授自身がそういう発言をしたわけじゃない。
オレから見た教授の見る学生は、そういうものな気がする。

教授が、オレに対してしている評価も、ある意味では分かりやすい。
プログラミングの出来るアート系の人間。
普通の考え方をする、自分の考えとは違った人間。
そういう捉え方。
だから何を言っても返答には。
「さすがアート系の学生ですね」
「それは普通の学生の考え方です」
といった言葉が入ってくる。

そして何より。
「世界は広くもあり、狭くもあります」
「ときどきの気持ちの持ちようでいろいろです」
つまり、広く捉えるも、狭く捉えるも、気持ち次第だということを知ってる。
だけど、教授の見ている世界は、いつも狭い気がする。
言うことは大きいのに、そこに辿り着くために選ぶ選択肢が、
教授の中であまりにも少なく、上手く行きそうにないと思えば、
すぐに諦め、違う道を歩く。
道は変化して行くものだということを無視しようとしてる。
そこに存在し続けているものだと思ってる。
本当は他にも上手く行く方法もあるのに、それが見えない。
時間を経て変わってしまった道は、無きに等しい。
だから、それはなくなってしまった道でしかなく、
新しい道を、見つけることしか選べない。
北の方角を目指していたのなら、北へ続く道を探して行く。
決して自分から道を作ろうとはしない。
誰かが作った道を歩く。誰かが作ってくれた道を歩く。
辿り着けたなら、喜ぶかもしれない。
でも、そうでなかったら、すぐに諦めてしまう。
辿り着くための道は、どこにもなかった。
本当はあるけど、その道を見つけることはできなかった。
でも途中で見えた景色で行きたい場所があるから、そこへ行こう。
そんな感じ。
ただ。
学生の在り方を機械的に捉えても、教授は自分自身を人間として捉えてる。
すべての判断が自分の気まぐれだということを知ってる。
そして。教授は。
自分にはもう若い頃にあった可能性がないから、学生に任せよう。
そういう態度でいる。
馬鹿なオレには、言い訳にしか聞こえなかった。

別に教授を悪く言うつもりはない。
ただ。それこそ。
見えないものを見えないものと知りつつ、
そこにある可能性を、自ら潰しているような。
なんだか、そんな気がする。
本来なら、こんなに他人のやっていることに対して、
グダグダ考えることもないんだろうけど。
同情?
違う。そんなんじゃない。
ただ。オレには。
教授の価値観が理解できてない。
本当に、気まぐれ。
それが本当に必要なこと、不要なことであっても、そんなことは関係ない。
それが良いもの、悪いものでも、そんなことは関係ない。
気になるから求める。気に入ったから信用する。
何か違うと感じたその瞬間から、諦める。
何がしたいのか、オレには分からない。
分かるはずもない。そりゃそうだ。だけど。
教授の前に自分が存在してしまった時点で。
自分のすべき振る舞い、自分に求められているものがなんなのか。
理解できずに動くことはしたくない。
自分は、人に対して探りを入れようとしてる。
分かるはずの無いものを分かろうとしてる。
それこそ、自分の勝手な価値観で、他人を見ようとしてる。
何故?
あの人が自分に向けて何かを伝えようとしているのに。
それを理解することができない自分がいて。
それが、許せないから。

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