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怯えを感じた。安らぎを感じた。
抉られた傷を、癒すような。
それを言葉として理解することはできても、
実際に経験することは、ない。
無理矢理その言葉に押し込むことはできるけど。
もっともっと、複雑じゃないだろうか。

曖昧なイメージは。
風のように吹き込んで、世界を変えていく。
それを傷と思うか、安らぎと思うか。
それは判断でしかなくて。
変化、でしかない。
だから。
傷だけを否定することも、安らぎだけを否定するもことも。
できない。
そんなものは偏見でしかない。
そう、思う。

知ってる。
与えられるものは、酷く自分の世界を掻き回して。
新たなイメージがサラサラと流れていく。
ある時は広大で、ある時は繊細な。
そういうものが、多く、数多く。
流れ落ちていく。

凄いなぁ。鮮やかだ。美しい。
ときには重く、ときには傷付けて。
世界の奥行きはまだまだあると思える。
そう思うと、なんだろうな。
泣きたくなる。
目を瞑って、自分という存在を消したくなる。
なくなる、とはどこか違う。
ザラッと砂のように崩れて、その広い世界にまみれていくような。
そういう消え方。

あぁ。
世界は。
オレがここにいることを許してくれるんだろうか。
許してくれない気がする。
それは甘えで。
『ここにいたいから、ここにいるんだ』とか、言えない自分には。
そこに存在できない。
勝ち取るような、そんな気になれない。
必要がない、と言われれば消える。必要だ、と言われれば使われる。
それだけの存在。それでいいと、思ってる。それが正解だと、思ってる。
だから、そこに存在したいと望むことができない自分に。
ここにいる権利はない。

・・・いや。
聞くことが、自分にはできてるだろうか。
自分のことばっかり口にして。
外からの何かを、聞き入れようとしていない。
分かってる。確かにそうだ。
でも、聞いたところで信じていいのか分からない。
もし、信じたら。
それだけで何でもできそうな気はするけど。
まあそれはただの副産物かな。

また。
自分を見失うわけだ。
自分が何を感じて、何を信じて、何を知ってるのか。
まったく分からない。
そこに何かがある、というだけ。
自分と言うものが、ただの現象でしかない。
そう思える。
いや、そうかもしれない。

オレなんてものは。
存在に原因はあっても正当な理由はなくて。
その原因も、その他の原因も、理解することはできていなくて。
ただそう感じるだけの、現象。
だったら？
・・・。
あぁ。
それが自分か。