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「デザイナーになると思っていた」
なれるわけがないだろ。
オレが描いている絵は常に自己満足、趣味だ。
人の役に立つ、人に使われる道具としての絵を描けない。
いや、絵だけじゃない。
オレ自身が、道具になれきれない。
ダメなヤツだ。

現実を甘く見たくない、といえばそうかもしれない。
いや、若干違うかもしれない。
絶望したくないのかもしれない。
自分を認めるような社会、世界を、認めたくないのかもしれない。
オレが認められて、誰かが認められていない現実を、見たくないのかもしれない。
世界は広い。本当に。広い。
オレは。まだ。世界を知らない。
1％も。0.1％も。0.000001％も。知らない。
0％だと言っても嘘じゃないと思う。
だから。
世界はオレを認めるはずがないし、オレもオレを認めようとは思わない。

届くはずがない。
抱えきれるはずがない。
理解できるはずがない。
オレは、こんなにも小さい。
ゴミよりも、塵よりも、小さくて。
本当は。どこにもいない。
存在できていない。
オレはオレを理解することすら叶わない。
だから。
オレはオレが何かになれるなんて。
思わない。思ってない。
そんなもの、自分でどうこうできるような場所にはない。
だから何も求めない。
求めたって無駄だから。
この存在すら。
無駄だから。