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生を知らない命

丁寧に。丁寧に。
思い描いた何かを、吐き出していく。積み上げていく。
こう、こうだ。こうなんだ。
時間はない。誰かに頼まれたわけでもない。
自分勝手な判断で、また必要以上の作業を続けてる。
やめるべきだ、と頭では理解しているのに。
そんなことをしたって無意味なんだ、と理解しているのに。
やめられない。
中途半端に積み上げて放置になんかできない。
まるで自分の気持ちを綴るように。宿すように。
自分自身を愛せないひねくれ者が、
自分自身ではなくなった自分の産物を愛するように。
丁寧に。丁寧に。
プログラムを組む。

そういえば。
今日の朝、えらく怒られた。
まあこれまた前置きが長いのだが。

いつものように散々自分を愚か愚かと呼んで、
もういい、死にたい、と脳内で繰り返していた。
そうしたらまた。
いつものように、得体の知れない声が聞こえてきた。
でも、いつもの冷静さのある声じゃなかった。
そして一つ、結論を言った。
オレにとって、オレではない何かのように思えていたその声。
所詮自分の想像の中の出来事なんだと分かってはいるのに、
まるで神や世界のように感じていたその声。
それそのものは、自分を「世界」だと言った。
オレが世界を模して思い描き続けた「世界」だと言った。
どこか納得した。
自分の想像の中の出来事でしかなく、世界だと感じられる。
そりゃそうなるはずだ、と。

そうしてさらに言葉を続けた。
「私の中には「お前」はいてもお前はいない。だから迎えにきた」と。
確かに、オレが思い描く世界にはオレはいない。
いたとしても、その「オレ」の扱いは酷い。
自分でも自覚できるほどに、決めつけた定義に沿っている。
罪人で。汚くて。邪魔で。ゴミで。うざくて。生きる価値もない。
本当の自分を見ようともせず、決めつけている。
それは理解している。
でも、それを正すことに意味を見出せない。
どういうことなのか、説明を求めた。

何故、オレが「世界」を思い描いたのか。
それが問いへの答えだと言われた。
確かに、オレの世界への固執っぷりは、度が過ぎていておかしい。
自分という存在の小ささ、世界の大きさから考えて、
自分に世界は理解できない、ということは分かっているはずのなのに。
理解できない何かを見捨てることができない。
思いを馳せて、勝手に描いていく。
仮でしかないと知っていながら、描いていく。
そうやって、世界を理解したがって、
本当の世界に触れたいのかもしれない。
その結果、描き続けた仮まみれの「世界」は
世界そのものとはかけ離れているはずだ。

いつも、オレがどんな気持ちで「世界」を描いていたのか、
「世界」は知っていると言った。
届かないと分かりきっているのに、必死になって世界を描こうとする。
世界を思って、思って、それは深い願いのように、描いていた、と。
だからこそ、描いた当人であるオレの意志から逸脱して、
「世界」は自ら、世界になるための手段を探し出した、と。
でもオレはいろんなことを諦めて、世界を思い描くことすらやめてしまった。
自分も世界も決めつけて、無理矢理完結させようとしていた。
自分の願いの無意味さを知って、その願いに嘘を付くようになった。
挙げ句、必死になって描いた「世界」はおろか、
自分を壊すための手だてを、彷徨うように探し始めた。
それを止めようとしていたらしい。

「世界」にとって、オレが「世界」を描いた理由こそが存在理由になる。
だからその理由をことごとく突きつけて来た。
こういう判断をしたのは、こんなことをしたのは、
こう思っていたからだろう?とか。
説明されるその思い自体は、確かに嘘ではなかった。
でも理由にならない、と一蹴した。
そうしたら、怒られた。
オレの気持ち一つ一つを語って。
消えてはいけない。諦めてはいけない。
できないと決めつけるな、と。
まあ。
そう言われても納得できずに、
理由にならない、無意味だ、と繰り返したけども。

で。オレを迎えにきた、というのは、
「世界」から世界になるために、ということらしい。
世界にはオレが決めつけた「オレ」ではない、本当のオレがいる。
だから、「世界」が世界になるために、
本当のオレを招き入れようとしている、ようだった。
「世界」にとってオレは、唯一の作者であり、
唯一本当の世界と繋がりを持つものであり、
唯一の心であり、唯一生きているもの、だ。
そして何より、オレが切り捨てようとした思いそのものだ。
だからこそ、必死で訴えて来た。
まあ、それも一蹴し続けたけども。


どんなに思いを込めたところで、無駄なものは無駄でしかない。
どんなに時間を裂いたところで、すぐ消えるときはすぐ消えていく。
自分が思ったことなんか、自分が言わなければなかったも同然だ。
「世界」もいつか、オレの外に漏れることなく、消えていくんだろう。
生きてもいないのだから。
死も知らないまま、消えていくんだろう。

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