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家出

夜の8時。
オレは家を出た。
いつぞやにも似たような理由で家を出たことがあったが。
今回は夜バージョンということもあり時間的には前の3分の1程度だった。
2006/10の 06/10/20(金) 14:29から06/10/20(金) 17:01の記事参考)
わざと持っている服の中でも模様が少ない真っ黒な服をチョイスして家を出た。
昨日に引き続き風がキツい。
雲の流れも一段と速い。
の、割にはあまり天気は変わらない。
前回よりは多少薄い曇り空が永遠と続く。
そんなコンディションで前回と同じルートを歩き始めた。
家を出て数分。
すれ違いになった車を尻目で見ればスピードを落としていた。
すぐに元のスピードで走って行ったが、この不審者が気になったのだろうか。
そしていつもの永遠に続く田んぼ道に差し掛かる。
周りを見渡して落胆。
街の明かりで辺りが見える。
本来ならもっと暗いはずなんだ。
どうして明るい?
人が明るくしたから。
何故?
自分たちが困るから。
自分勝手。
落胆。
落胆する自分に更に落胆。
1年半経っても変わらぬ馬鹿がここにいる。
キツいはずの風が弱まった。
と思ったらまた強く吹く。
本体が飛びそうになる。
まあそこは慣れで手も使わずに飛ばないよう顔を下げて方向を調節する。
・・・変だ。
何故かいつもは向かい風。
傘をさすにも風の関係で前に向けてさしたり、
駅から家まで歩いていても正面からしか吹いてこない風が。
今は後ろから吹いて来る。
つまり追い風。
いい加減戻り始めないとおかんかおとんが家に帰ってきそうだったから、
田んぼをぐるりと回るように道を曲がった。
ここから先は前回どころか今まで歩いたことすら無い道だった。
田んぼ道なのでどうとでもなるから心配もしなかったが。
どこに続いているのかも分からない分かれ道に差し掛かったとき。
追い風が突然横から吹き始めた。
その方向には道がある。
何かの縁だろうと勝手に解釈して、追い風になるようにその方向の道を歩いた。
さすがにこの辺りで不安になる。
向こうに家が見える。
これあの家に向かって伸びてるけど、どうなってるんだろう。
まあとりあえず歩く。
ふと気付いた。
おかしい。
街灯もないのにオレの影がある。
街の光?
違う。





満月ではないものの月の光が照らしていた。
そういえば今日は大潮だった気がする。
あぁそうか。
そもそも歩けるはずがなかったんだ。
月がなきゃオレは今日田んぼ道を歩くことなんて出来なかったんだ。
街の光が明るいんじゃない。
街の明かりがなくてもこんなに明るいんだ。
ちょっと安心した。
そうこうやってるうちに家の近くまで来た。
家に向かって続く道と、曲がり道。
曲がれば元の道に出られそうだ。
案の定出られた。
おっと。
さすがにおかんから電話だ。
怒りの声が耳を付く。
「今もう帰りよるよ」
あとはおかんの言うことに「うん」と「ごめんなさい」と言って電話を切った。
といっても、あと10分ほどかかるのだが。
田んぼ道を抜け、家の建ち並ぶ道を歩く。
桜が月明かりでぼんやり見えて綺麗だった。

こんなことをやったところで犯した罪が償えるはずも無く。
家に帰れば叱られ怒鳴られ。
オレからすれば親バカのようなその理由がなんとも虚しく。
かといってオレが全く悪くないと言えば全くの嘘で。
親はオレを心配していた。
心配だから怒る。
でもなんでオレのために怒るんだ?と聞いたところで、
その返答は「当然だから」なのは分かりきっていた。
だから聞かなかった。
死にたいと言ったオレは「当然」に歯向かうアホだと教えてくれたのは親だから。
とにかく。
オレの行為はなんの償いにもならなかった。
妹が遅く帰って来たことも叱られる原因となっていたから、
オレが夜遅く出て行くことで少しでも矛先がこっちに向けば・・・
という策も虚しく妹は叱られていた。
ただ、オレが一度外に出て頭を冷やしてきたからか、
あまり重い空気を作らずさっきの月夜の話などを話していたら、
いつもの後を引きずり涙を流すだけの時間が過ぎていく状況にはならなかった。
笑えた。
話せた。
妹も笑ってた。
おかんはネタを振ったら爆笑してくれた。
それだけが救いだった。
犯した罪は当然の如く償えなかった。

ふと思う事なのだが。
今これを見ている、いやこのサイトを見に来ている見知らぬ人がいる。
顔も名前も知らない話した事の無い人がそこにいる。
いやひょっとしたらいないのかもしれない。
まあ今は仮定でいるとしよう。
その人は何を目的にここへ来ただろうか。
たまたま?
検索で引っかかったから。
その程度の理由だってありうる。
でも違う場合もある。
こんな馬鹿馬鹿しいブログでも、何かを期待して見に来ている場合。
サイト自体に何かを期待して見に来ている場合。
ともかく何かしら理由はある。
オレは心配だ。
その人がどういう影響を受けているのか。
それを聞き出すために話しかける事も出来ない。
強引に調べることも不可能ではないかもしれない。
でもそこまでしようとは思わないし、望まれていないだろう。
まあとにかく。
オレは誰かにオレの理解できないオレの何かを期待されている。
だからサイトを続けてる。
だからサイトを突然やめたりしようとは思わない。
だから心配だ。
やめろと言われない限り続けるわけだから。
もしも何かあるのなら言って欲しい。
オレは限度を計れない。
オレはオレを知らないから。

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