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語合

荒々しく振り上げられた何かが激しく歪んだ表情とともに見えた。
悲しげで苦しそうで、でも楽しそうで。
振り落とされ、自分にそれが突き刺さった瞬間・・・何故か笑ってしまった。
「お前は未だに罪を語るか?」
言葉だけが頭の中に入ってきて、処理するために時間が流れた。
お前って誰だ。
未だに?どういうことだ?
罪とは何だ?
語る?何をもって語るという?
曖昧な回路が形成され、即席ながらくねった道を作り上げた。
それが終わってやっと口を開く。
「やっぱりオレには何も分かりそうにない」
結局道は繋がらなかった。
その結果を自分も理解できぬ言葉、音で表現する。
自分は一体何を言っただろう?
結果が見えているから、それすらどうでもよくなってくる。
「加速度」
告げられた言葉。
その単語に何故かピクリと反応した。
目の前にたたずむ影が言葉を続ける。
「どこまで思考は広がった?」
本来なら理解出来ないであろうその言葉の意味を、その時は何となくわかった。
じわりじわりと何かが広がって溢れていく中、
痛みだったか快感だったかよく分からぬものを感じつつ、言葉を紡ぐ。
「事実での動き。加速度の存在。それに対となる動き。まるで欲望」
下手な紡ぎ方だなぁ。意味を成せないもろいもろい繋がりだなぁ。
わかっていてもどうでもよくなる。
諦め、だと思う。諦めの意味すらもう分からない。
「そこからもう発展させないのか?」
「・・・どうして貴方はそうも聞くんだ。オレに答えを求めないでくれ」
困った表情の彼は。
「求めたのはお前自身だろ」
悲しそうで嬉しそうないつもの表情。
「・・・・・・」
そう、なのかもしれない。
「どうなんだ?」
「もういい。どうでもいい」
「そうか」
沈黙。あぁ。こんな感覚も久々な気がする。
この妙な時間がたまらなく懐かしい。
「言いたいことがあったんじゃないのか?」
沈黙を破られてしまった。少し悲しくなる。
そう思った時にはもう振り落とされていた何かは崩れ落ちていた。
またこんな使い方をする。酷い人だ。でも心にも無い話。
「聞いてるか?」
「ん。あぁ」
ヒュルリと足下が歪む。いつも通りなので書くまでもないが。
記憶をたどる。何か言おうとした。何を?
確か、出来事。そう。過去のこと。今日のこと。
「大きな木の夢を見た。自分が腕を広げたぐらいの直径をした幹が目の前にあった」
「けれどどこか平凡で、これといって見た目に関しては思うことは無かった」
「でも、その木は優しそうだった」
「それで?」
「・・・貴方はオレの話し相手になってくれているだけなんだね」
質問ばかり。意見の無いやり取り。
貴方がそこには存在できない事実。
「お前がオレ自身を求めてないからだろ」
「!・・・あぁ、そうか。ごめん」
「続けろ」
「・・・木はオレに何かを言ったようだった」
「でも目が覚めた時にはもう忘れてた」
「妙に目が冴えてて、すっきりしてるのに気持ち悪かった」
「案の定電車のなかで心臓がバクバク言い出して」
「顔を上げたくても上げられなくなった」
「その後、治ったけれど後遺症があって」
「顔を一定の角度に保つことが出来なくてガクガクした」
「・・・そうか」
「楽しかったよ」
「また会いたいね」
「そうか」
・・・否定してくれなくなった。
悪いのは自分自身だけど、どうすることもできない。
誰も貴方達を必要としなくなってしまったから。
誰かも、自分ですら。

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