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Forget Dreams 〜現想の調べ〜 エンディング前半

「アイツはオレを置いていった。そうしろと言ったのはオレなんだけどね」
そう言いつつ笑う最早原型を留めぬもの。
響く微か笑い声は僕達のして来た事を哀れむようで嘲るようだった。
「何回繰り返したんだろう?100は優に越えた。貴方達は何度もオレに斬り掛かり、何度も砂となって意識の内から消え去っていった。繰り返すつもりはなかった。けれど思う事が事実に繋がる事もなかった。どんなに願っても貴方達はオレを越えてはくれなかった。だからオレは言った。繰り返すな。新たな道を探せと。この道だけが夢へたどり着くための経路ではないだろう・・・と。アイツは泣きながらオレの下を離れていった。まあ戻って来なかったわけじゃない。アイツは何度も返って来ては嘆いていた。過去の存在であるオレを失いたくないがために、だ。馬鹿なヤツだろ?オレは過ちだと何度も教えてやったのに、それを承知した上でオレを欲する・・・いや、なんだかんだいってもオレはアイツを越えられない。アイツは何か見つけたらしい。欲が神だとかなんだとか。どの道聞いてもオレの理解を越えていた。馬鹿馬鹿しくなって『ほらみろオレは完全ではなく不完全じゃないか』と笑ってやったさ」
「なら・・・何が目的だ・・・」
呆然と空間に響く話に聞き入っていた時、後ろから掠れ声が聞こえた。
慌てて振り向けば彼が先ほど受けた傷口から血を滴り落としながら、形を保っているのも危ういであろう地に震えながら手を付いて体を起こしていた。
彼の微動に合わせ彼から黒色の霧が溢れ周りを霞める。
「目的?簡単な事だ。お前達を生かす。オレの、オレという存在そのものの命と引き換えに。オレは無くていい。だがお前達には有って欲しい。でも無いオレが作った貴方達なら貴方達はどう足掻いても無い事になる。だったらオレが望まぬまま持っているこの有を貴方達に譲ればいい。そうだろう?」
「ちょっとまてよ!お前は過去の産物。お前の望みは今のものではないんだろう!?」
ふと感じた疑問をそのまま口にする。また空間が揺らいだ。
「はははっ!虚しいねぇ・・・」
声が耳をつく。
「さすが人形。言っただろう?アイツがいるのは違う道。オレのいる道が夢へと繋がるならそれもよし・・・ッ・・・!」
突然の風を切る音。
見れば彼が再び鎌を手に取りソレの手元を裂いていた。その表情は怒りに満ちていた。
「ふざけんな・・・」
あんな表情をする彼を今まで見た事なかった。寒気が襲った。
ソレは体勢を崩され腕を失うも、何事も無かったかのように平然としていた。
「全部テメェの一人芝居ってか。そうやってずっと逃げてたんだろ。馬鹿か。俺達に頼んじゃねぇ。自分で自分のケツぐらい拭け。俺達はそもそも存在してねぇんだよ。人形ですらない。そしてテメェは創造主になれても神にはなれない。いい加減諦めろ」
表情と裏腹に淡々と話す彼。
少し沈黙が続いた。
「・・・フハはっ。本当に人形だから泣けて来る。単なるヤツの意地だなこれは。ふざけたマネを・・・」
そういいつつソレは切り落とされた手とは逆の方向を彼に向けていた。
「いい加減その偽りの記憶も解放してやろうか?」
「聞こえなかったか。諦めろと言っただろう」
ギチリと鎌が音を立てた。
「まあヤツがそのつもりならオレも乗ってやるとしよう・・・いつぞやに『オレのオリキャラは全員オレの分身』と言ったらカッコいいとか言われたことがあったが、反面オレ以外の存在には決してなれないとも言う。そう。そして今も尚それが苦痛。そうなんだろう?はははっ・・・笑いたいのはこっちだ・・・笑うな・・・クククッ・・・」
彼も僕もそれのセリフを理解する事は出来なかった。誰に向けられた言葉なのか・・・
「さて。そろそろ本番に行こうか」
ふと我に帰った頃にはソレはその身を渦のように巻き上げ空へと消えていた。
「あぁその前に伝えておこう。」
――ディム君もフォアちゃんも嘘を付いたオレを許さなくていいんだよ。さぁて!思う存分イタビッちゃってもらおうか!
―――ソれは今まデ散々自分がいタびって来タかラデすか?
――ふふんっ。悔しいけど今回ばかりは言わせてもらうよ。
「あんたの言う通りだ・・・!!」

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