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思うことが多過ぎる。
知ってる。今が幸せであること。
でも心が痛む。

自分が今立っている場所を改めて確認する。
自分が今までしてきた愚かな行為を改めて思い返す。
グッと事実を呑み込んで、じっくり味わう。
自分はろくでもない人間で、人間と扱うのもおこがましい。

もう終わったんだ。オレは。
もう帰って来ない。すべては意図した道へ続く。
人の道を外し、朽ちていく。
もう終わったんだ。

自分が壊れていく。
バラバラで支離滅裂な思考。
死という目的だけが取り残された道筋。
人の言葉に耳を傾けることをやめた耳。
歩くために必要最低限のことしか見えない目。
湧き出てくるのは諦めの言葉と、自分への恨みの言葉だけ。
ボロボロと言えばそうだ。でも決して不幸じゃない。
自分のために、他人のために。
自分にできること、そのための能力が、ちゃんと備わっているから。
やるべきことに全力を尽くしている。
これは紛れもない幸せだ。

・・・もうやめよう。
これ以上こんなところでグダグダ言って、
人を困らせるのは、よくないことだ。
こんなブログモドキになんの価値がある？
そうだ。だから。終わりにしよう。
人と関わりたいなんて欲望も捨てて、本当の理想を目指すべきだ。
さようなら。
もう二度と、ここに愚かな文章が付け加えられませんように。

人が自分から遠ざかっていく。
自分が『ろくでなし』だという事実を実感できる瞬間。
自分の思考が正しいということを証明される瞬間。
安堵する。安心する。

自分の中から声が聞こえる。
違う、やめろ、と嘆く声が聞こえる。
知ってる。
人を傷付けないために、人を追い返す行為。
それ自体が人を傷付けていることを、知ってる。
でも、その傷以上の傷を負わせかねないから。
これでいい。これが正しさだ。

「お前なんか産むんじゃなかった」とか。
「お前なんかと関わるんじゃなかった」とか。
「お前なんか死ねばいいのに」とか。
事実としてそんな言葉がやってくれば、オレの勝ちだ。
それさえあれば、オレを無理矢理生かしている常識を否定できる。
人のことをろくに考えもせず、知ろうともせず、
ただ生かすだけの人間への忠告だ。

本当の信頼なんてどこにもない。
本当の安心なんてどこにもない。
上辺だけの知識を信用して生きる人間に復讐を。
偽りの知識の先にある現実と可能性の光を。
そのためにオレは死の許可を求め続ける。
どんな形でもいい。
必ずオレは人に認められた死を遂げる。
寿命ではない死を。必ず。

人に背を向けて歩む。
先にあるのは絶望だと知ってる。
でもこれでいいんだ。
無知な人間故に、これは必然だ。
足掻く理由もない。

「一人、道無き道を行く理由を述べよ」

と、声がする。必然だと言ったばかりなのに。
まあ、必然といいながら、それが必然たる理由を
理解していないだろ、ということだろう。
だから改めて証明する。自分がそうする理由を。

所詮自分が見て感じて『知っている』と感じている世界は、
本当の世界とは異なったものだ。世界そのものにはならない。
だからオレは自分が無知であると自覚している。
でも他人はそうじゃない。
知っている、これはこうだ、と断言しながら生きている。
その上で理想を語り、実現するための努力をしている。
それは自分にとって見た世界、現実だ。
他人は何かを知り、その上で行動できる。でも自分はそうじゃない。
だから他人より自分は劣っている。無知なオレは邪魔になりかねない。
オレにできることは、自分という不要な要素を排除することだ。
それこそが他人がオレに求めることであり、
無知な存在がすべき行為、義務だ。
だからこの世界から自分を排除する。
それが叶わないのなら、せめて道を外し一人孤立するまで。

「それは正しいか。それは絶対であり必然と断言できるか」

言葉に揺らぐ。
所詮この答えを導きだしたオレの思考はゴミだ。
絶対など言えるわけが無い。
勝手に判断して、勝手に決めて、勝手に行動しているだけ。
天罰が下っても文句は言えない。

「お前が思う最善とは何か」

ふと、思考が深く落ちていくのを感じる。
正しさ、必然、義務。その評価の基準となっているもの。
オレが基準としているもの。そのトップに君臨するもの。
何かはある。だた、酷く曖昧だ。
一体何なのか、分からない。最善とは何だろう。
自分の死は手段でしかない。それは分かる。
だったら、何が最善なのだろう。
・・・今を守ること。
そう。そうだ。変化がないこと、平和だ。
自分の中には変化を求めてしまう『悪』がある。
それを滅しなければならない。そういうことだ。

「違う。それもまた手段だ」

ガン、と頭を引っ掴まれたような感覚に襲われる。
もっと考えろ。もっと奥。吐き出せ。と迫られている気さえする。
でも一体なんのことだか分からない。平和を求める理由？
確かに、平和であることが良いこと、という思考は
洗脳のように吹き込まれた思考でしかない気がする。
それでも平和であればそれでいい、と思い至った理由があったような。
なんだったかな。
と、考えていくと、急に泣きたくなってきた。
答えられなくて悲しいとか、そういうのじゃない。
感情的な部分に理由が埋もれている、というか。
そんな気がする。

泣いている自分をよそに、理由を求めていく。
平和じゃない。幸福でもない。
ふと。
『世界と友達でいたいから』という言葉がよぎった。
でもすぐに別の言葉がやってくる。
身の程知らず。無知のくせに。壊すくせに。
せめて世界に迷惑をかけるな。と。
結果として『世界に迷惑をかけない』が理由としてトップに君臨する。
オレは一切世界に影響を及ぼしてはならないんだ。
と、納得する。

「友とはなんだ」

すぐに自分の納得を振り払うような言葉が痛い。
友。友達。自分には縁遠い言葉。
無知なオレに友達を作る資格はない。
同レベルに立てない自分に友達は作れない。
それでも。友達とは一体なんなのか。考えることを求められている。
友達。
・・・お互いの存在を、赦しあえる関係。多分。
分からない。

「お前は世界を赦さず、世界もまたお前を赦さないのか」

もし世界がオレを赦すことができたとしても、
オレには世界を赦すことはできないだろう。
自分という存在があまりにも小さ過ぎる。

「世界を赦せる存在でありたいか」

すぐに首を横に振る。
そんな貪欲になるつもりはない。
無理なら無理でいい。

「壊したからか」

涙が止まらなくなる。
そうだ。オレは壊した。無知故に壊した。
そんなオレをオレは赦さない。
自分の中で何かが壊れる音がする。
聞き慣れた音に浸る。

「お前が壊れることは構わないことなのか」

世界を壊したくないと願ったのは自分であり、
赦していないのは自分自身だ。誰にも何にも関係ない。
耳を塞ぐ。ただ砕け散る音に浸る。
が、耳を塞ぐ手を取られてしまった。

「まず自分を赦せる存在であれ」
「その先で世界のすべてを赦せる存在となれ」
「お前が目指すべき道は、お前の絶望ではない」

気持ちの悪いことを言う。
知ったかぶりもいいところだ。
所詮妄想だ。説得力なんて欠片もない。

「それすら赦すことのできる存在であれ」

なんでそんなに必死にならなければならないのか。
オレは世界と友達になんかなれない。なれるわけがない。
それでいいじゃないか。
また泣く。でもこれもこれでいい。
すべてオレ自身の問題なのだから。

分からない。
自分の価値観を見直す必要性すら感じる。
いや、きっと必要はなくとも、そこにある価値は変わらない。
だから存在を認めるところから始めることになるんだろう。
そんな気がする。

追われて何かを成すことに価値があるか。
いや、ない。
自分の意志だと言うのなら尚のこと。
人の言葉に流されてはいけない。
その奥にあるもの。
そこにあるものこそ価値、だと思う。

自分が自分であること。
自分であるために成すこと。
それとは何か。
その価値は共通するものであり、絶対的価値か？
・・・。
また考えに耽る。