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ボロボロになりながら


フラフラだ。ボロボロだ。
そんなことは知ってる。
無茶をしている、と言われれば、きっと否定できない。
でも、理解もできない。
無茶なのかも知れないが、どうしてそれが無茶なのか。
頭の中じゃ分かってない。
自分は死に損ないなのだから、無茶もクソもないはずなのに。

気を抜けば倒れそうになる。
意識が落ちていくのが、鮮明に感じ取れる。
でも、それが救いだ。
自分が壊れていく。それが幸せなんだ。
そう思っているはずなのに。
どこかから否定の声がする。
気が付けば、その声の主に抱き起こされていて。
涙と共に暖かさが落ちてくる。

どうして殺してくれないのだろう。
そう感じながらも、心のどこかで安心している。
まるで委ねるように、休まるように。
何かに馴染んでいく。
愛されている、のかもしれない。

でもそれは空想だ。
オレの中で生まれた思念体、欲望だろう。
こんなものに呑まれていいのか。
疑問は尽きない。

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生きて得る自由のために


自分が自分を殺そうとする。
その考え方そのものを握られて、改めて問われる。
どうして殺そうとするのか。根底に何があったのか。
決して無価値とは呼べない、動機として存在していた事柄とはなんだったか。
漏れそうになる否定の言葉が空を切って。
ただツラツラと、そうであったことを連ねた。

それは言う。
生きているからこそ変われる。それは世界も同じだ。
世界もまた生きている。
世界が死なないのは、そこに変化があるからだ。
お前もまたそんな変化をもたらす要因の一つであるというのに。
お前は世界を殺そうとしている。
今の在り方を保つために、可能性を殺そうとしている。
ゴールなんてないんだ。
ここにあるのは本当に大きな大きな自由だ。
怯えなくていい。受け入れてごらん。
死んだ世界から出ておいで。

一度死を決意した人間にとって。
今更生きる決断をするのもおかしな話だ。
そんなに容易く決意できるわけがない。
でも。
知るべきことがあるのは、確かだ。
それは、確かだ。

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オーバーフロー


グッと心を落ち着かせ、自分の思考に耽る。
そんな中で気付く。
自分の中の、どうすることもできない、絶対的定義の存在。
過去の自分という事実。
いや、過去の自分に対する評価。
でも。それが揺らぎはじめている。
「違う」と、面と向かって伝えられた瞬間から。
自分の中の事実、『当たり前』が崩れそうになってる。

オレは言うほど人から嫌われていない。
オレは言うほど人から避けられていない。
オレは誰かに受け入れてもらっている。
知ってる。分かってる。
そういう人もいるということを、オレは分かっている。
それを再認識しておいて、じゃあそれが何なのか、と問いかける。
オレにとってそれは幸せなことではある。
でも、オレにその幸せが必要なのか、と問われれば、
「違う」と言わざるをえない。

かといって、幸せになってはいけない、というわけではない。
ただオレが幸せになりたくないだけで。
大き過ぎるほどの幸せを感じているのは、確かだ。
オレは小さくて。
故に無力で、そのことに泣くだけ。
それでも幸せであること。
言葉にできない気持ちで溢れている。
不釣り合いなこの状況に、オレはただただ怯えて泣くだけだ。

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欲望と願い


「楽しかったらそれでいいんかな」
「え!?いいに決まってるやん!」
そう思えたら、楽に生きていけるのかもしれない。
でも、オレは楽に生きたいと思ってるわけじゃない。
現状でも楽しいし、十分幸せだからかもしれないが。
どうも、楽しければそれでいい、なんて思えない。

心の底から、自分のために生きられたら。
自分の幸せだけを考えて生きていたと思う。
それは、人を喜ばせたいだとか、そんな部分も含めて、だ。
でも、オレはそんな生き方をしていない。
人の、世界の、あらゆるものに触れられること。ありのままを望めること。
どこか、それを追い求めている気がする。
まあ、誰かが「これはこうなんだ」と思い込んで、
そこから抜け出そうとしていないところを見ると、
「それだけじゃない」と声を荒げたくなったりはするけども。
そんな衝動すら押さえ込んで、
人のありのままを受け入れられるような自分を、
心のどこかでは求めている。

苦しみがある。悲しみがある。
一般的に負と呼ばれること、できればそのすべてを、捨てたくはない。
ぶちゃけてしまえば、あらゆることを丸ごと愛したい。
自分の中には、自分のことだけを考える、
いわゆる欲望と言うものが渦巻いていて。
やりたいことも、心のどこかにドッシリと存在しているのだけども。
その存在をなんとか押しのけたくてしかたがない自分がいる。
それのせいで見えなくなるものがあること。
それのせいで失ってしまうものがあること。
それが許せない。
せめて何が見えなくなってしまうのか、何を失ってしまうのか、
触れたくて触れたくてしかたがない。
でも、そんなことを繰り返すからこそ。
自分が自分でなくなっていくことも、感じている。
それでも、構わない。
自分を殺してでも、愛したい。
それぐらいの気持ちが、自分に刃を向けている。

今が幸せでも、将来幸せにはなれないかもしれない。
思っていることが現実になる、ということが本当なら。
オレは友人をかたっぱしから無くすだろうし、
家族とも離れて、どこかでひっそり飢え死にするんだろう。
でも、それでもいい。それすら幸せと呼んだっていい。
下手に他人と関わっても、オレにはその人を
本当の意味での理解もできなければ、幸せにもできないだろう。
できたとしても、勝手に「あの人は幸せになった」と思い込むことだけだ。
それじゃ意味がない。
そんな表面だけの他人の幸せを本当の幸せだとは思わない。

小さ過ぎる自分という存在が嫌いだ。
でもそれは、大き過ぎる何かを愛そうとする、
背伸びをした気持ちのせいだと思う。
それでもオレはその気持ちに正直でいたいと思ってる。
例えそれが自分を殺しにかかって来ても、それはそれでいいと思ってる。
というか、実際殺されるのだろう。
まあ仕方がない。
すべての原因は自分にあるのだから。

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心に引っかかること


自分は、もういいのだと、思っていた。
自分がどんなに思い詰めても、他人には関係のないことだと。
でも、他人もまた、思うところがあって。
自分が忘れかけていたことを、思い出させてくれる。
思い描いていた理想。
思い描いていた正しさ。
そうでありたいと願っていたこと。

その物事は平行線なのかもしれない。
それでもどうにかしたい。
だから足掻く。だから悩む。
他人もまた、それを望んでいるのだ、と、理解できること。
どうしてだか、喜びを感じる。
どうしてだろう。
分からない。

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