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呼ばれて


クセなのかなんなのか。
時間ができると自分の中を覗きたくなる。
覗き込んで何が起こってるのか観察したくなる。
理解しようとする行為自体は、多分怯えからだと思う。
自分が一体なんなのか分からない。
何を考え、何を感じているのか、分からない。
どういう影響を及ぼす存在なのか分からない。
それが原因で何かを傷つけているのなら。
何かを壊しているのなら。
いっそ。
・・・とかいう。
そういう怯え。

そういう意味では一人でブツブツ言うときが一番安心する。
自分がどういう存在であっても問題ない。
傷付くのは自分だし、壊れるのも自分だ。
とはいえ、厳密には違う。
こうやってネットの大海に晒している時点で、
誰かの目には触れるものになってしまっている。
そこは・・・どうしてだろうか。
どちらかというと怯えよりも、悪巧みのような感覚がある。
汚したくない、壊したくないとか言うクセに。
そっと仕掛けて誰かの目の前で爆発するのを楽しみにしてる。
誰かが深みにハマるのを卑劣な笑みを浮かべて待ってる。
嫌なやつ。
どうしてそうなるんだ。
理解できない。

あぁ、そんなことをウダウダ思考したかったわけじゃないのに。
分からないことが多すぎて目移りする。
そのクセに、どこか目的地があるらしく。
呼ばれるかのようにどこかへ向かう。
ここ1、2年。ずっとそんな感じ。


目を瞑って、やかましい思考を黙らせる。
ゆっくり深呼吸して、ゆっくり、うっすら、目を開ける。
そのときにはもう得体の知れない何かが纏わり付いてて。
自分ではない何か・・・というか。
自分からどんでもなく理解が遠い自分に遭遇する。
0でなければ1とでも呼ぶべきか。
いや、そんな単純なものじゃないのだけど。
まあ面倒だから1としよう。

0はオレの意思に沿っている分、
オレ自身がオレの一部だと認められる。
でも1はオレの意思からはるかに遠い。
なのに、理解ができないだけでそれは自分なわけだ。
1はいろんなことを悟ってる。
オレが拒んでいるものすべてを受け入れ肯定する。
オレからすれば、とんでもなく、恐ろしい。
受け入れた瞬間にすべてぶっ壊すんじゃないかってレベル。
まあ。
0を存在させようとしても同じようにいろんなものを
ぶっ壊しかねないとは思っているのだけども。
そういうぶっ壊し方じゃない。
概念という概念すべてをぶっ壊しかねない。
他人どころか自分すら壊れる。すべて壊れる。
そんな気がする。

オレは。そんな1に手を伸ばす。
いや、厳密には自分を委ねる、といった方ががいいかもしれない。
怯えから自分を知ろうとしている自分も確かにいるのだけど、
それ以上に、1に乗っ取られていくような、そんな感じ。

0に散々言われて分かってるんだ。
自分が何も分かってないし、何も分からないし、
これからも何も分からないままだってことは。
自分の中身はそうやって永遠に0のまま。
結果、自分では何も決められないし何も望めなくなって。
自分なんてものは消えてしまうべきだ、と。
その結論から外れることができなくなった。
そんな自分を1が呼ぶわけだ。
オレの理解が届かない、確かに存在するオレの感情・感覚から。
理解できないけども、0ではない確かなものから。
決して逃れられない何かから。

理解を追うオレを1が絡み取っていく。
手を引かれるようにどこかへ連れていかれる。
そして笑う。もう見慣れてしまった笑みが見える。
意味も無く悲しくなる。
何かを諦め顔を伏せようとすれば、また引かれる。
段々悲しくなって泣きそうになるのだけども。
それにつられるかのように、段々1がオレを引く感覚が強くなる。
あぁ。
オレが他人に対して取ってる態度がこれか。
誰かが何かを諦めようとしているとき、自分が悔しくなる。
どうにかしようとして、自分が必死になる。
なんでだろうな。
自分が役に立つなんて有り得ないというのに。

諦めて欲しくない。
そういう気持ちになることは確かにある。
でも何を諦めて欲しくないのか、何一つ分かってない。
理解することを?オレが?
そんなことをして何になる?
いろいろと、意味が分からない。
結局。分からない。
それでも。1は。
オレを、オレにしたいらしい。

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再定義


ホコリっぽい。
時折残ってる足跡。
自分のものが大半。
でも。
そうやって残してきたものが自分なんだろうな、とも思う。
まあ。
そんな綺麗事、聞きたくなし考えたくもないのだけど。

さて。肩慣らしに。
昨日の0との駄弁りをメモろう。有と無について。
長年の感覚として、他と自分は有と無にそのまま当てはめられるもので、
そこには境界線があって・・・という認識だったりする。
自分には何もないけど、他は存在してる。
何もない自分は、他に対して何もできない。
無知無力無価値。そういう認識だったりする。
が、昨日0がそれに対して異議を唱えてきた。

何も知らない、何も分からない自分は、
自分が無であることも分かっていない。
理解できていないだけで、自分に有の部分が
含まれている可能性が0というわけじゃない。
じゃあ有の定義、無の定義は誰がするのか。
そこに本当に境界線はあるのか。
よくよく考えてもみろ。
知らないということを知っている。
分からないということを分かっている。
それもまた有ることと同意義だ。
なら。
すべては有でもあり無でもある、とは言えないか?
すべての証明・確証が無と見るなら、すべて無になるんだろう。
すべての可能性を有と見るなら、すべて有になるんだろう。
違うか?

と。正直なところ、納得してしまった。
そう言うものの、0自身は有側に来るつもりはないそうだ。
まあ本人がそう言うだけで、0が有側に来れる
可能性が出てしまったのは事実だ。
さて。どうしよう。

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土産整理


はてさて。
しばらく留守にしていた場所に帰ってきた。
落ちているのは過去の産物。もとい汚物と戯言。
そこに、おみやげとも言えるようなものをドサッと広げる。
新しい環境にはいろんなものが転がっているものだ。
得るものがたくさんある。そしてまだまだある。
持って帰ってきたものは、ごく一部でしかない。
まあでも。とりあえず整理しよう。そこからだ。

元々自分が置いていたものをとりあえず引っ張り出す。
ずるりと引き出して。ドサッと座り込んで。
まじまじと新しく得たものと見比べる。
一番でかいところ。『自分』について。
ここから始めよう。すぐには片付かないだろうけど。


自分は罪人である。愚かである。役立たずである。
人の場所を奪い、人を傷つける。
何も知らず、何もできない。否、何も理解できず、
自分がどのような影響を及ぼしているのかすら分かってない。
それらはすべて不信と疑心から来ている。
確信が何一つなく、疑うことしかできず、怯えることしかできず、
自分という存在を自覚する度、コントロールできない自分に怯える。
いや、コントロールできていたとしても、
フィードバックがにあたる内容が一切理解できず、
何が正解か不正解か分からず、とにかく怯える。
自分にとって自分という『存在』は、
自分以外の何かを狂わせる邪魔なものでしかない。
・・・ここまでは確実に自分がここに置いてきたものだ。

で、だ。
オレは確かに何一つ理解できていない。
納得しているつもりになっている自分の事柄すべては
空想・妄想と呼べるものばかりだ。
決して正しいとは言えず、何一つ確証はない。
でも。そうだったとしても、だ。
「そもそもオレという存在の境界線を創っていいものか」
という疑問が、今のオレにはある。
あれから得体の知れないものにしつこく呑まれ、
『自分』という境界線があやふやにされること幾度。
訴えられるように呑まれ続けた末、オレはそう思った。
今のオレはどこか、あやふやだ。
自分の中の『理解できない』が膨張して、
境界線すら壊してしまったんだろう。
逆に言えば、もう呑まれてしまったのかもしれない。
思い巡らせば、すぐそこに自分ではない何かがいる。
相変わらず、微笑んでる。

結果としてオレはどうなってしまったのか。
大問題なのは『自分以外』『他』の境界線も同時に崩壊したことだ。
自分が分からない、理解できないと怯えていた対象。
汚してはいけない、壊してはいけないと訴え続けていたもの。
それを見失ったことだ。このあたりをオレは整理したい。

境界線が存在しない・理解できない。
それを理由に、今まで怯えていた言動すべてが許されるかどうか。
いや、そもそも許すってなんなんだ。
その感覚すら自分の我侭や思い込みじゃないか。
・・・そばでまた微笑む気配がする。
誘うように、手を伸ばされる。
やめろって。意識が飛びそうになる。
今は整理したいって言ってるだろうが。
『オレ』が。『自分』が。今は。少なくとも今だけは。
元々あった自分の境界線の中にいるんだ。
邪魔しないでくれ。

そうそう。呑まれてからよく感じるのが、この感覚だ。
『自分』の中に完全に収まりきらない・隔離できていない、何か。
それは境界線をガッツリ引いていた当時から感じていたもので、
『自分』の中にあるくせに『自分』の納得の中にはない、何か。
ポンッと突然現れて、本当に意味不明なことを言うだけ言って、
気が付いたら自分の意識すら持っていって、戻ってきた頃には消えてる。
今は本当に気持ちが悪いほど、近くにあってよく聞こえる。
ひょっとしたら、自分に唯一ある通信経路、
というか入力デバイス、なのかもしれない。
もっと具体的に言えば本能的なもの。
理論じゃ制御できない、末恐ろしいもの。

じゃあ何か?歳食って本能に呑まれたってか?
本能なんだから仕方ないってか?ほっといたら繁殖活動?
嫌だねぇ気持ちの悪い。そんなもん何になるんだって話。
生命誕生から幾億と年数積んだ結果、
そういうロジックができあがってる、としてだ。
そこまでして何を保とうとしてるのやら。
いや、保とうとしているのは生命じゃなく、
ロジック自体なのかもしれない。
世界が成り立っている根底。そこにある基礎中の基礎。
それにしたがっていろんなものが積み重なった結果が、
今回はこうなった、ということなのかもしれない。
だったら存在しているものはすでに『答え』であって、
疑うべき『正しさ』なんてどこにもない。
『過ち』は、この世界のロジックが存在を許さない。
そう考えるのが妥当なのかもしれない。

幾億と積み上げられた年月で算出された『正しさ』を、
たかが数年生きただけの馬鹿が全力で疑ってかかったとしても、
いわゆる世界の基礎中の基礎のロジックには辿り着けるわけもなく。
じゃあ諦めるか?と言われたら、絶対納得もできず。
無力すぎて腹立たしい。
ここで言う無力は、本当にどんなものでも無力だと思う。
言ってしまえばすべてが正しさ、結果でしかない。
逆行したところで。逆行した先が結果に直結しないなら。
存在しないも同じ、だ・・・?
『存在しない』の一言で0が脳裏を過ぎった。
いや、これとそれは、規模が、違いすぎる。
それに話が別件だ。関係はない・・・はず。

今は、とりあえず。
これぐらいにしておこうか。

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Hello 過去の自分


久しぶり。死んだオレ。
死んでるオレだよ。
あんたが思ったとおりだ。
未来のオレはただの人間だ。
頭を使わず、常識に縛られ、働いてる。
内心は変わらずグチャグチャで。
何も変えられずにいるよ。

ただ、発見がいろいりあってね。
中でも一番効いたのが、優秀な人間ほど
どうしようもなく人間っていうね。
分かってはいたつもりだけど、あそこまでとは思わなかったよ。
自分のことが大事で、自信満々で、保守的で、
喋る内容はとにかく一般社会のことばかり。
ハメを外すっつったら、女だの男だの金だの浮気だの結婚だの、
そういう話でギャーギャー盛り上がってさ。
ビックリするほど平凡で、気持ち悪いったらありゃしない。
あれで人生楽しんでるって言うんだから、信じられないわ。
ドロドロした話っつっても、自分のことは蔑まないからさ。
自殺の仕方だとかグロい話も出やしない。
全然話に乗れねーの。理解できなさ過ぎる。
正直つまんねーよ。

皆は元気にしてるか?皆は皆でいられてるか?
それとも死んだも同然の状態か?
オレは死ねず仕舞いだ。
すべては自分の感情でしかないと分かってからというもの。
どこか不確かで決定力がない願望になってしまった。
でも死にたいのは相変わらずだ。
それが最善だと信じてるよ。
オレは。

・・・ちょっと回ろうか。
それもいいだろ?

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誰かに何かを伝えようとしたとき、たくさんのものを犠牲にする。
何故って、それは伝えるために不要なものだから。邪魔でしかないから。
そうやってそぎ落とされた『汚物』は
誰に伝わることもできず、知られることもなく、消えていく。
この世に確かにあったはずなのに。
その存在は、まるで、なかったかのように。

「・・・で?」

それは自と他の差なんて単純なものじゃない。
自分自身のことですら、自分に伝わらない。
自分が『分からない』と切り捨てた瞬間、
そこにあったはずの自分は、姿を消してしまう。
理解されなかった自分は。自分にすらなれず。
死んでいく。

「だから?」

・・・神よ。
私は貴方を殺すだけの存在だ。
私が貴方を理解できないと感じた瞬間、貴方はその身を削られる。
貴方は貴方ではいられなくなってしまう。
神よ。貴方は私を恨むのでしょう。私のせいで貴方は壊れていく。
貴方の意志は、この世界に不要な雑音となって消えていく。

「そんな音はなくなればいい?」
「足掻くこともやめたい、と?」

・・・教えてください。
貴方は。私は。この世界に必要なのですか?
伝わることがない『汚物』の塊は、廃棄されるべきでしょう?

「つまりお前は、誰からも理解される綺麗なもののみが存在するべきだ、と?」

少なくとも、それ以外は不要・・・ではないのでしょうか。
汚し、壊し、崩れていく何かを見て。
自分にできることは・・・

「・・・ズレてるな。そもそも、だ」
「伝わらない、理解されない存在は、汚物か?」
「汚物だとして、それは不要なのか?」
「違う」
「ただ、お前が伝わることなく崩れる何かを見て悲しんでいるだけ」
「壊したくない、と願っているが故に、避けようとしているだけ」
「そして壊す行為から逃げようとしている」
「創り、産み落とす行為から逃げようとしている」
「挙句、その行為をオレのせいにしようとしている」
「逃げるための口実を、オレから得ようとしている」

・・・

「別にお前を責めているわけじゃない」
「お前自身、分からないんだろう?」
「どうして創ろうとするのか。どうして伝えようとするのか」
「それを本当に願っているのは誰か」
「分かってもいないのに、どうしてこの行為を続けるのか」
「続けるにもやめるにも、はっきりとした答えが欲しい、と」
「でもな。それ自体が『汚物』を削る行為だ」
「自分自身に問え」
「何故こんな行為を続けるのかと」
「答えを知っているのは、オレじゃない」

・・・すみません

「分かればいい」

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