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笑いあり涙あり


家を出る。
トンネルを抜け、山道を行き、斎場につく。
そこで猫を引き渡す。
相変わらず、穏やかに寝ているようにしか見えない。
帰って来てから、おかんは家の掃除をし始めた。
猫のトイレを撤去し、猫の寝床を掃除、猫の毛まみれになった毛布を洗濯。
猫のいた形跡が、徐々に徐々に薄れて行く。
いつかすべてなくなってしまうのだろう。


昼が過ぎ、買い物へ。
チャリに乗った中学生の団体が歩道を走っていた。
全員安全タスキをしている。
ふとおかんに言う。
「安全タスキって、あんなに短かったっけ。もっとブカブカだった気がする」

「そりゃあんたがガリぃだけや」

「・・・!!!」

言われて気付く事実。家に帰った時に確認する。
・・・。
本当だ。


買い物の途中、猫がお世話になった動物病院に立寄り、挨拶。
オレは車で待っていたのだが、おかんが病院から出て来たら、
先生もついて出てきた。見送ってくれるようだ。
その姿は酷く弱々しく、口は動いているのだが、聞き取れない。
車を走らせ、おかんは言う。
「泣いてはったわ」
・・・そうか。


踏切を渡る。
ちゃんと交通ルールを守り、しっかり路線前で停止する。
『カンカンカンカン・・・』

「あかん!!はよいかな!!」

車を急発進させるおかん。

「え、止まった意味、なくね?」

「んなこたない!止まったもん!」

どうだか。


そんな一日。

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旅立ち


猫は、昨日の夜から日付が変わった頃に逝ってしまった。
どうやらおかんが見届けたらしい。
体を小刻みに震わせ、おかんに手を握られながら、逝ったらしい。
親は2人して会社での軽い日帰り旅行に出て、帰って来たのが遅かったのだが。
おかんは家を出る前に「待っててな。おる時に逝ってな」と言ったのだとか。
そして夜遅く親が帰って来た1時間後、猫は逝ってしまった。
約束通り、待っていたのだろうか。
なんか切ない。

猫は明日、焼かれる。
なんだか虚しいが、放っておいて虫が集るところも見たくない。
フクザツ。

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まだ続く


猫はまだそこにいる。
苦しそうにはしていないが、鬱陶しそうにしている。
動きたいのに動けないなぁ。届かないなぁ。疲れたから寝よう。
そんな感じ。
まあ寝ると言っても、瞼もほとんど閉じないのだが。
近寄れば反応して。
引っ付きたいことを体を使ってアピールしてくる。
こっちから足を引っ付けに行けば、足をスリスリ。
苦しそうにしていないだけマシかもしれない。
でも自由がなくなって行くことに、悲しさは感じてるんじゃないだろうか。

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家の猫がご飯を受け付けなくなった。
まともに歩けなくなった。
鳴き声もこもった声で。
瞬きもしない。
体温は低く、かといって温めると暑がる。
救いとしては、苦しいと訴えるようなようすではない、ということ。
どちらかと言うと、自分が動けなくなって行く分、淋しいと訴える。
人がいなくなると鳴く。
かといって頑張って外にいこうともしてたり。
で、挙げ句外で人を呼ぶ。
しかたなしに自分が外に出る。
寝ているとき、寝返ろうともするんだけども。
今となっては体全体を揺らすように、フラフラしながら、体の向きを変える。

明日辺りが怪しいだろう、と家族で言っている。
そう思うと、改めて猫が幸せだったのかどうなのかを考える。

元々は捨て猫だった。
おじいちゃんが猫嫌いで、買わない、なんて言っていたのだが。
顔のかわいらしい猫という理由で、おじいちゃんも「まあいいだろう」と許した。
頭は異様にいい。
トイレはすぐに覚えた。違う場所で漏らしてしまったら、
ごめんなさいと言わんがばかりに、心配そうな声で鳴き続ける。
餌のねだり方もうまくて。
寝ている人を起こす時には、鳴くだけでなく戸を引っ掻く。
行ってはいけない場所もよく分かってる。
とくに食卓の机の上。
たまーにそこにある食べ物に惹かれて、足を机にかけたりするが。
それ以上は行ってはいけないことを理解してる。
淋しい時の鳴き方は人が心配するような、大きな、悲痛に聞こえる鳴き方をし。
人が来た途端に甘えた声を出して寄ってくる。
誰かが帰ってくる時間になれば戸の前にいたり。

そんな猫と自分について考える。
オレは猫に対して、可愛いとかそういう感じで見ることは少ない。
何がして欲しいのか。それだけを考えてる。
必要以上にかわいがることもしなかった。
でも量がともあれオレが猫に対して良いことばかりしたわけじゃない。
とくに。
階段で寝ていることにも気付かず、思い切り踏みつけてしまったことがあった。
しかも、そのとき客がやってきて慌てて駆け降りたから、
相当体重がかかっただろうと思う。
慌てて逃げて行って、しばらく机の下から出て来なかった。

正直、オレが特別猫に対して何か良いことをした覚えはない。
それでも猫は懐いてくれる。意味は分からないけども。
嫌ってはいないのか、と思うと、いいような、悪いような。

飼われる側の猫にとってはどうだっただろう。
餌が貰えて、自由に出歩けることは保証されていたかもしれない。
でも、特になにかあったわけでもないだろう。
思い出と呼べそうなものは、ろくにないんじゃないだろうか。
もし、飼っていなかったら。捨て猫のままだったら。
違う誰かに拾われていたら。どうなっていただろう。
何か大きな選択肢を奪ったような気がしてならない。

何にせよ。逝ってしまうなら安らかに逝って欲しい。
今はそれに限る。

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嘆いてみた


画像

効率化。最適化。分かりやすく。単純に。
すべてはサービスだ。
人のためでなくてはならない。
無駄は省け。使えないものは必要ない。
それを求めたのは心でも。
求められるのは逆らわぬ機械。目的を果たすためだけの道具。
心が危険を感じれば皆殺されていく。
法律違反だ。モラルに反する。迷惑行為だ。
そうやって捨てられていく。

忘れてはいけない。
心が心を創るのならそれは趣味だ。
心が機械を創るならそれは仕事だ。
趣味を仕事にすることは、皆から命を奪うことだ。
そして創主は創ることから作ることへと逃げ出す。
親となることから逃げ出す。
我が子ではないそれに愛情も注げず。
空っぽの幸せを掴んで空っぽの笑みを浮かべる。


涙が止まらない。
悲しいのはお前たちのはずなのに。
泣く権利はお前たちにあるというのに。
目を瞑れば。
悲しみしか聞こえない。

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