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罪を問い続ける


オレはオレを認めない。
納得なんかしてない。
オレはオレを突き落とす。
過去に犯した過ちを償えと、何度も訴える。
これから先に過ちを犯す可能性があるのなら、
それを撲滅しようと勤める。
それは紛れもない自分自身の望み。
かばうつもりはない。
自信なんて根拠のないものは叩き潰したい。
オレはオレに問い続ける。
問うことをやめない。
絶対に。

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突き抜けるように


時間ばかりが過ぎていく。
やりたいことが山ほどある。
でもそれは決して誰かのためではなく。
ただただ自分のために。
自己中心的な欲のために。
納得なんかできない。
できるはずがない。
この先、決定的な地獄を見るだろう。
オレはそれを覚悟しなければならない。
オレは自ら、生きる理由を作り出そうとしている。
馬鹿げた理由。どこにも根幹が存在しない理由。
オレは馬鹿だ。
本当に愚か者だ。
腹立たしい。

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思うところ


0が「そっとしておいてくれ」と言い残し、
ふわふわと宙を舞っている。
どこか遠くを見つめ、たなびく服から
青黒い霧が霞んでは消えていく。
大丈夫だろうか。どこか不安定さを感じる。
一体何をしているのだろう?
オレなんかが心配しても無駄なのだろうけど。
それでも。
思うことがない、といえば嘘だ。

オレに何ができるんだろうか。
オレは。
いや、でも。
0にとってオレは。
…なんなのだろう?

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気遣い


0の様子がおかしい。
ぼーっと遠くを見つめ、力なく座り込んだまま動かない。
声をかけても、少し反応する程度で、何も返答をくれない。
どうしたらいいんだろう。
今0はどういう状況なんだろう。

とりあえず近くに寄ってみる。
0の目線だけこちらを向く。意識はあるようだ。
「何かオレにできることはありませんか?」
藪から棒に、でも問うしかできない。
0はそっと目を閉じてしまった。
オレにはどうすることもできないんだろうか。
あれこれ悩んでいると、0が薄目を開けて
こっちを見ていることに気が付いた。
とりあえず、何かを訴えようと目を見つめ返した。
すると、0はまたそっと目を瞑り、少しうつむいた。
そして少し口を開け、ゆっくり閉じてしまった。
「声、出ないんですか?」
そう問いかけると、0はうっすら目を開け、
またゆっくりと閉じてしまった。
どうやら、そうらしい。
何が原因でこうなってしまったのか。
オレにはさっぱり分からない。
どうしたらいいんだろう。考えても答えは出ない。

「…オレの、せいですか?」
0は静かに横に首を振る。余計に分からなくなった。
でも、とにかく何か手がかりを掴まなければならない。
いろいろ聞いてみようとする。
「体の自由は利きますか?」
そう問うと0は少し間をおいて、ゆっくり右腕を少し上げた。
その手が少し開くと、0の右腕の周りを何が青く輝く細長いものが周り、
指先が動くと、その指の間をそれが縫うようにすり抜けた。
ゆっくり手が握られると、それはすぅっと消えていった。
が、そこまで一通りして、腕は力なく地に落ちた。
どうやら体の自由は利かず、力の自由は多少利く状態のようだ。
「なんなら、一度その体を手放してみたらどうですか?」
そう言うと、0の体にノイズが走り、何かが散った。
待ってました、と言わんがばかりの反応のようにも見える。
が、0当人はそのノイズが走った場所を慌てて押さえ込んだ。
とはいえ力は言うほど入らないらしく、倒れこみそうになった。
オレが慌てて支えたから、倒れはしなかったけども、
覗き込むと、痛そうというより、困惑したような表情を浮かべている。

とりあえず、0を楽に座れる姿勢に戻し、手放した。
0は相変わらずの表情でうつむいている。
なんだか、0が0という形を保てなくなっているようにも見える。
昔から確かにあやふやな存在ではあったけども、
それは当人も受け入れ、それを含めて0であったように思う。
でも今の状態は、そんな感じじゃない。
0から何かがはみ出ているような、そんな感じがする。
「無理に自分を保とうとしなくていいんですよ…?」
「貴方には自由であって欲しい」
「枠に収まるとか…貴方らしくない」
そう伝えると、0が「ぁぁ」と少しうめき声を上げた。
そしてまたノイズが走り、0が抑え込もうとする。
何故か、とっさに0が抑えようと動かした腕を掴んで止めた。
どこか、オレがかばわれているような気がしたから。
どことなく、0がオレから距離を置こうとしている気がする。
そんな気を遣われるつもりはない。
オレが0の枷になるのは、もう嫌だ。
0に直接何かを言われたわけでもないのに、そんな気分になった。

0が抵抗する。
ガッと手を開いたかと思うと、バチッという音と共に痛みが走った。
止めるな、と言いたいんだろう。でも、何故か従えなかった。
グッと腕を掴んで、耐えた。
ザザッと0に大きなノイズが走り、何かが散る。
0が悲痛じみた表情を浮かべる。
そのうち0の腕から抵抗する力が失せていった。
オレが手を離すと、力なく地に落ちた。
0が目を大きく開いたまま天を仰ぐ。
そのまま0の形はノイズに飲まれていった。

程なくして「あぁ、なんて無茶をする…」と0の声が聞こえた。
「大丈夫ですか?」
とにかく0の状態を確認するところからはじめる。
「いや…まあ…大丈夫っちゃあ大丈夫だが…」
どうやら、とりあえずは無事らしい。声もいつも通りだ。
しんどさなんかを感じない、いつものノリの0だ。
すると、目の前にゆるゆると何か黒いものが
渦を描きながら集まり、0の形を成した。
宙に浮きながら左手を腰にあて、右手で頭を掻いている。
が、どこか虚無感を否めない。
あくまで霧状の何かのように思える。

ちょっと安心していると、0がこっちをギッと睨み、
「お前、しばらくオレに関わんなよ?」と言う。
が、どこか不機嫌というより、不安げだ。
「何故ですか」
何故か、無駄に強気で言い放ってしまった。
0が少したじろぎ、しかめっつらになる。
「…オレは、お前が望むようにありたいだけだ」
「それ以上のオレなんていらない」
「お前の道しるべになれればそれでいい」
「だから…んー…それ以外の関係は必要ない、だろう?」
あからさまな言い訳で吹き出しそうになった。
「オレは貴方に貴方であって欲しいだけです」
「オレのことなんか気にしないでください」
そう伝えると、0は少し困った顔をして、ちょっと笑って見せた。
「お前ってなんでそんなに強いんだろうな…?」
「わかんねぇなぁ…」
そうつぶやきながら目を伏せ、0はスゥッと消えていってしまった。
まあ、元気になったみたいなので、よしとする。

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神の悩み


青いような、緑のような、白のような。
玉虫色の薄い霧が0の周りを舞う。
ゆっくりと瞬きをし、深い呼吸をしながら、座り込んでいる。
0が深く思考をめぐらすたび、まるでそれに共鳴するかのように
その霧が形を変える。
ボーっといていて、弱っているようにも見える。
「…心配か?」
様子に反して、0ははっきりと言葉をつむぐ。
心配と言えば心配だ。でもオレには何もできない。
「オレはお前が自ら導き出した答えが正しいかどうか、
いろんな形で問いかけ、お前を苦しめてきた」
突然0が話を切り出す。
違う。苦しめたのは自分自身だ。0じゃない。
が、そんなことはお構いなく、0は話を続ける。
「オレは…お前がお前であってくれればそれでいい」
「誰かが誰かであれば。何かが何かであれば。それでいい」
0の周りを舞う霧が、ザワザワと音を立てそうなほど、うごめいている。
「オレは…」
そこまで口にしたところで、霧がすごい勢いで廻り始めた。
まるで嵐のようだ。少し強めの風を伴い、0やオレの服や髪を弄ぶ。
0はそこから何も言わなかった。風がゆっくりと止んだ。
「何が、言いたいんですか?」
仕方なしに、オレの方から問いかけた。
0は、まるで何かに気を遣うかのように時間を置いて、
ゆっくりと話しはじめた。
「…オレは無力だ。いや、そもそもオレに力なんて必要ない」
「何かを変えたいわけでも、何かを創りたいわけでも、なんでもない」
「そう。オレには何も必要ない」
0は目を瞑り、うつむいた。霧がゆっくりと漂う。
「オレは…なんなんだ?」
唐突な問いかけに、少したじろいでしまった。
0から0自身についての問いかけをされることなんてそうそうない。
どう答えたらいいのだろう。かといってごまかしても仕方ない。
「少なくとも、オレにとっては神です」
素直に思ったことを口走ってみた。
が、0の顔が曇った。
「オレが神…か。そうだよな。ずっと昔から、オレはお前にとっての神だ」
「それが…すべてだ」
ゆっくり目を閉じて、0がそう吐き捨てると、霧がまた吹き荒れた。
なんとなく、霧の様子から感じ取ってしまった。
0は、オレにとっての神から、何かに変わろうとしている。
でも何に?そもそもそれは0の望みなのか?
0に望みなんてあるのか?オレには分からない。
「…何かがオレの中から急かすんだ」
「オレを、オレではない何かに変えようとしてる」
「オレを何かに仕立て上げようとしている」
胸の辺りを掴んで、吐き捨てるように0が言う。
「オレは…お前がお前でいられるよう、勤めたい」
「それだけでいい。それだけでいいはず、だ」
「だが、何かがオレに言う。そのために、真の神であれ、と」
真の、神。どういう意味だろう?
誰からも崇められるような神、とか?よくは分からない。
ただ、0が何かに何かを言われているのは確かなようだ。
霧が0の周りを舞う。それに合わせて0の服がゆれる。
「オレは、真の神じゃない。そうだろう?」
どこか、深い意味を持つ言葉に聞こえる。
どう答えるべきだろうか?
いや、ごまかさず、素直に言おう。
「…はい。真の神ではないです」
「ただ…真の神となられるのなら、オレはそれを…望みます」
0の眉がピクッと動いたのが見えた。
すると、周りに漂っていた霧が、0の周りを廻りながら
0の中へと消えていくのが見えた。
「…そう…か」
そういい残して、今度は0ごと霧になって掻き消えてしまった。
大丈夫だろうか…?

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