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人を突き飛ばす。
やさしい言葉をかきけして。
大きな声でわめく。
自分の愚かさをさらけ出して。
全力で人を遠ざける。
それが自分にとっての正しさ。
砕け散った心の破片。
漂う血の匂い。
ここにはもう何もない。

オレが見ているのは過去なのかもしれない。
でももし過去ならば、悲劇は繰り返される。
同じ過ちを犯す。
それを見てまた絶望するのだろう。
そう思うと切なくなる。
だったら最初からなければよかったと。
そう思う。
過去ならば、尚更。

何とか逃げた。
怖かった。
でもこれでもう大丈夫。
もう誰も傷つかない。
安心できる。
オレにとっての理想。
いつか。
オレ自身からも逃げ出して。
この世を去る日が。
早くくればいい。

声がまた響く。
誰かの声。
誰だよ。
なんなんだよ。
うるさい。
一人にしてくれ。
オレは。
一人でいたいんだ。

何故だ。
どうして求める。
どうして。
違う。
オレじゃない。
必要とされるべき存在はオレじゃない。
オレは違う。
だから。
逃げよう。
逃げよう。