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壊れていく自分を明確に感じる。
人に罵声を浴びせ、人の怒りを誘い、笑う。
忌み嫌う自分という存在をただただ感じる。
でも仕方ない。
自分はそういう存在なのだから。
なんのために今まで人という人を遠ざけてきたのやら。
このためじゃないか。
終わりは確実に近付いている。
人がオレに絶望する日が来る。
早く。早く。
オレを殺してくれ。

物事は見た目以上に複雑で。
想像していた方法とは全く違った規律を持って動作していることがある。
と、プログラミングをしていて思う。
単純そうなゲームなんかは特にそうだ。
オセロ、トランプ、ナンプレ、スロット、テトリス、倉庫番・・・
規律さえ分かっていれば、以後それほど頭をひねる必要はない。
でも規律を理解していない人間が、１からその規律を知ろうとするとき、
それは驚きと発見の繰り返しだ。

そして何より。これはゲームやプログラムだけの話じゃない。
『当たり前』や『常識』となったものも、そうでないものも、
想像を遥かに越えた複雑な規律を持つものがある。
逆に複雑だと思っていたものが単純な規律で成り立っていることだってある。
見て「なんだそれだけか」と思うだけじゃダメだ。
見て「これはできない」と思うのもダメだ。
実際にやらなければ分からないことがある。
見た目以上に苦労することもあれば、苦労しないことだってある。
そのすべてが、やってみなければ分からないことの連続だ。
オレはまだまだ、知らない。
何も、知らない。

どうすればいいだろう。
どうあればいいだろう。
考えることに意味はあるのだろうか。
分からない。
人の喜ぶ顔。声。言葉。
あぁ。嬉しい。嬉しいよ。それは確かだ。
でも決して人のためにはなってない。
ただ、夢を与えられる人になりたい。
そう思った。

自分は幸せである。文句のつけどころなどないはずだ。
なら何故反抗する？何が気に入らない？
問題なのは幸せを幸せと感じない己自身だ。
悪いのは自分だ。変わるべきは自分だ。
そうだろう？
自分の考えなんてどうだっていいんだ。
そんなものは無意味だ。
他人の価値観を理解しなければならない。
これは義務だ。
義務なんだ。

会話が会話として成立した覚えがない。
なんだってそうだ。
他人が提示した選択肢以外を選ぶことなんかできない。
いくら訴えたところで「これはこうだ」と思い込んでいる相手に
それ以外の何かを伝えることはできない。
どう足掻いても無駄だ。
完全に人を理解することなんか誰にもできない。
だからこそ『当たり前』だ。
伝わらないことが当たり前であり、伝わることはすべて『当たり前』だ。
それが正しい正しくないに関わらず、そこに伝わったという事実さえあれば
共有できる情報、つまり『当たり前』なんだ。
人は『当たり前』でしか伝えあうことができない。
そこには本当の理解は存在しない。
だからこそ『当たり前』という言葉で満足しなければならない。
これは必然であり義務だ。逃げることは許されない。
「逃げるヤツは死ねばいい」
そんな世の中になればいいのに、とオレは思う。
その先にこそ平和はある、とオレは思う。
世界が目指す目標とはソレだ。
決して個人個人の幸福なんかじゃない。それは平和と矛盾する。
目標を目指さなければならない。
それが生きている理由だと言っても過言ではないからだ。
生きることから逃げることは許されない。
法律で定められる以前に、『当たり前』がそう決めているのだから。