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神には敵対する悪魔と呼ばれる存在がいるらしい。
神は悪魔を包容することができず、
仕方なしに怒り争うそうだ。
・・・本当にそうなんだろうか。
世界は今も尚調和し、規律を保って回っている。
物理法則は守られ、光や音も存在する。
生まれては死に、生まれて死ぬ。
新たな規律は決して生まれず、
そして歪むこともない。
絶対的な規律の元に存在するこの世界に
悪魔が存在したとしても、世界は決して乱れない。
乱れるのは人の心であり、乱れた心が
心の中に悪を生んでいるだけじゃないだろうか。
世界には神もいなければ悪魔もいない。
心の中の世界にそれらの存在を造り上げる人間がいるだけで、
本当の世界には存在しないものなんじゃないだろうか。
それはまるでプログラムを待つコンピュータのように。
指示を待ち続け、実行されると共に回るだけの世界。
実行結果を導き出しているだけの世界。
そう思える。
だからそこには何もない。
プログラムを持たないコンピュータ、本来の世界の姿は。
なんの知識も持たず、ただ規律だけに従っているんだろう。
人は実行結果を見て、思う、フィードバックする。
そして一つのクラスが持つメソッドを利用して、
世界に命令を書き加えていく存在なんだろう。
そう思う。
だから。
始めにこの世界、このコンピュータに、
プログラムを組み込んだ存在こそが神であり、
きっとその神はプログラマのように、
すべてを理解しているわけではない。
きっと、規律しか、理解していないんだ。
だからこそ実行結果を待っている。
この世界というアウトプットを待っている。
そういう存在がいるんだと。
オレは思う。
所詮その世界の中で動く
一つのクラスのインスタンスたるオレには、
決して知ることのできない存在。
全知全能と呼ぶにはほど遠い創造神。
貴方がオレをどうプログラムしたのかは知らない。
ただ。オレは。
この世には善とも悪とも呼べるものは何一つ無い
ただの実行結果なのだと、そう思う。
どうだろう。
創造神よ。