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他人の世界




今日は友人を引き連れ、客としては2度目の神戸ビエンナーレへ。
1人は体調不良で来れず、1人は途中でダウンという、
季節の変わり目の洗礼をまともに受けつつも、
ファミリオとモトコーだけ回った。
写真はモトコーにあった店の写真。


まずはファミリオでアートインコンテナの作品を鑑賞、体験。

「人工地形」
どこの国のどこだったか忘れたが。
これを見ると風の影響で緩やかな曲線を描いた茶色の谷を思い出す。
が。作品のタイトルからすると、これは人工だ。自然じゃない。
大きな差と言えば、デジタル的な曲線という点じゃないだろうか。
あくまで一つ一つがその大きさ、形にきっちり作られていて。
結果的に段差となり、それが連なっている。
そう見れば、人工らしいと言えばらしい。
そこまではさておいて、その奥にある映像は何なのか。
神戸の町並み、とは言うが。どこか映像に気持ちを感じない。
いわゆる、広告的な映像。これも含めて人工なのか。
これが人が創り出した土地、神戸か。そうか。
これ「だけ」なら、オレは神戸を好きにはなれないな。

「白昼の夜空へ」
田舎住民からすれば、見慣れたもの。
田舎のベンツ、トラック。それが都会にある。
乗り込めば、嗅ぎ慣れた車の匂い。そして目の前に続く道。
後ろを振り返れば牛。コンセプトに沿ったものだろう。
そして壁に貼られた一列の写真。牛が会場に来るまでの道のり。
何も考えずに見ても、牛に愛着が持てる。どこか牛に何かを思う。
でも。この牛はどういう目的で運ばれるのか。
そこまで考え出すと、この牛がどこか幸福と思えない。
そんな偏見を持つ自分が嫌いだ。
この世の牛がすべて不幸だとでも思っているのかオレは。

「THE STARRY FOREST」
暗くて写真が全く取れない中、白い木が無数に並べられている。
森を表現するためか、壁にも白く木が描かれている。
奥の方をよく見れば、無数のライトが見えた。
恐らく星を表現してると思われる。
ここで「暗い暗い」と文句を言いはするものの。
現実の夜の森とは本来もっと暗いものだ。
そこから比べれば、会場の明るさが漏れるあの状態は、まだ明るい方のはずだ。
明るさを求めることが当たり前になっている日常。
星の輝きを忘れた日常。どこか怖い。

「CONQUERORS' LURE」
遠目に見ればよく分からない模様のように見える。
近付いて初めて、それが骸骨だと理解する。
その道のりは徐々に狭くなっていって、
最奥では骸骨が鏡によって永遠に続く。
綺麗に並べられた骸骨は、まるで工場を思わせる。
家畜、とでも言うのだろうか。
その末路として処理され、こうやって機械的に並べられたかのような。
そんな気さえする。
きっと何も思われるまま生きて死んだんだろう。
相手が人だから悲しいと思うのなら。
人故の罪のようにすら感じる。

「道のり」
どろどろとしたイメージの茶色の布、糸が垂れ下がる洞窟。
少し曲がりくねった道を奥に進めば、
そこはまるで何かの巣のように、白い糸で空間ができている。
茶色と白という色の差の効果なのか、
不安と安心という気持ちの差が浮き彫りになる。
どうしてだか、奥の白い空間に居座りたくなる。
どうして茶色ではダメなのか。考えてみれば変だ。
本能なのだろうか。わからない。
ただ、茶色の洞窟の途中で立ち止まることに
不安、不安定さを感じることに驚く。


今日はここまで。
頭痛がする。

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