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朦朧とした意識の中で


意識が朦朧とする。
何を考えればいいのか分からない。
目的を見失った、というのだろうか。
ただただ、何かに呑まれていく感覚だけに支配される。
諭されるような、それでいて言葉には表せない声と共に。

怖れるべきものなどこの世には存在していない。
できないことなどありはしない。
すべては思えばそこに存在し、思わなければそこに存在しないだけ。
己という存在そのものは、己にとって唯一無二の神。
怯えるべきではない。お前は思うべきだ。

と。
あえて言葉にするのなら、そんな感覚で満たされている。
でもどうすることもできない。
思う、とはいえ。何を思えばいいのやら。
思うという行為は、非常に愚かしいものじゃないのか。
勝手な想像、妄想、空想。
そこには事実がない。例え自分にとっての事実だとしても。
それは本当の事実にはなり得ない。
そうじゃないのか?

なんて疑問すら『思う』のうちなのだろう。
そよ風のように笑われる。
くすぐったい。そわそわする。
なんなんだ。一体。どうなってるんだ。
考えたくて仕方がない。思いたくて仕方がない。
でも何も考えられず、衝動だけが押し寄せる。
伸ばした手が空をきる。

そのうち、自分の中で、思うことの意味を問い始める。
思うとは何なのか。思うという行為は何をすることなのか。
暗闇の中。何もない。それでも何かを追い求める。
何かを掴み取りたくて。何かを思いたくて。
真理にも似た、根本的なものを、心が求めつつある。

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