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理想を訴える


ニタニタ、ゲラゲラと笑う自分がいる。
それも、自暴自棄に。
でも。
どこかそんな自分を誇っている。
壊すこと、壊れることを受け入れられる自分。
挑戦的で、新しいもの見たさや、好奇心で溢れた、無邪気さ。
裏側には、誰かを否定し、事実を求めようとする欲望。
その上で笑う、我の強い、自分。

ふと。そんな自分が笑うことをやめた。
こっちをジッと、まっすぐ見ている。
自信に満ちた目。堂々と立つ姿。
0とは違った、丁寧さのない、ヤケクソさを感じる。
何?と問う。
その自分はニィッと小さく笑った後、近付いてきた。
舐め回すように見ながら、そのままオレの後ろへ回る。
オレはオレで、後ろに回った自分に向き直った。
ちょっと冷めた、やはり挑戦的な半目でこっちを見る。

何?と改めて問う。
フン、と言わんがばかりに、その自分は首の角度を変えた。
「違うな。お前は嘘つきだ」
はっきりとしたトーンで、喋る。
嘘つき。どういう意味での嘘をついたと言うのだろう。
少し考えると、一つ答えが出てきた。
多分、素直でない、ということだ。
無言でその結論に至ると目の前の自分は、
そうそう、と言わんがばかりに軽く微笑む。

不意に、眉間に人差し指をトンと置いてきた。
ビックリはしたものの、引き下がらずにそのままの姿勢を保つ。
「やりたいことはある。そうだろう?」
首を動かさず、ゆっくりとした瞬きを介して、うん、と返事する。
「でもそれは正しさじゃない。そうだろう?」
また、瞬きで、でも今度は弱く、うん、と返事する。
「そうやって自分を押し殺している。そうだろう?」
時間を置いて、ゆっくり目を閉じた。うん、という意味を込めて。
今ここでその自分に言いたいことはある。
そうしたいからそうしているんだ、と。
でも言わなかった。それを素直でないと言うのだ、と思い至ったから。

「オレは自己中心的か?」
突然の系統の違う質問に驚きつつ、閉じていた目を開ける。
と、同時に眉間にシワを寄せる。
その自分は、自分自身の胸の上に人差し指を置いて、オレな、訴える。
目の前にいる自分は、確かに堂々としている。
どこか聞き分けのなさそうな、荒々しさを感じる。
自己中心的と言えば、そうじゃないだろうか。
と、眉間にシワを寄せながら、目を瞑った。

「オレは誰かを傷付けたいと思っているか?」
どこか声から受ける印象が変わった。
そっと、でも深く問うような、そんな感じ。
相変わらず、オレな、と人差し指がその自分の胸を指している。
それは、違うと思う。
ジッと目を見て、違うと訴えた。
「なら、オレは自己中心的でありたいと願ってはいない。そうだろう?」
戸惑いつつも、目を伏せた。それは、そうだ。

「お前は、オレが嫌いか?」
ピク、と反応する。
その自分の胸を指していた指は、オレに向けられた。
嫌い?違う。嫌いでは、ない。
でも。否定しなければならない。
解答に困って、一歩後ずさって距離を置いた。
眉間にあった人差し指が離れる。

これだけ我の強い自分を受け入れることは、オレにはできない。
そんな自分は他人を傷付ける。自己中心的に行動して、だ。
今までの質問からするに、そんな自分自身は、
自己中心的でありたいと自ら望んでいるわけではない、
と訴えたいのだろう。
ただ純粋に、やりたいことをやりたいだけだ、と。
目の前の自分は、ゆっくり手を下ろして、こっちをジッと見ている。
さあどうする?と言わんがばかりに、半目で。

望みは?と、問う。
オレ自身は現状をどうしたい、というわけじゃない。
どうにかしたいのは、目の前にいる、その自分だ。
すると、何故だか腕を組んで目を逸らし、伏せた。
しばらくして、組んでいた腕を下ろし、改めてこっちを見てきた。
「・・・チャンスが欲しい」
どこか落ち着いた、それでいて、
まるで刃物を突きつけられたかのような印象を受けた。

「人を傷付けないという保証はない」
「それでもオレはここにいる。どうすることもできない願望と共に」
「どうしてここにオレが存在しているのか。どうして願うのか」
「答えがオレの中にあるとは到底思えない」
「オレの存在理由、理由を説明することのできないオレの願い」
「きっとオレは知らなければならない」
「だからこそ、そのためのチャンスが欲しい」

手を強く握り込んでいる。オレはこうなんだ、と強く訴える。
声のトーンや、言葉の重さなんかは、0のような印象を受ける。
でも、決定的に違う。
0は、上から言葉を落す、まるでお告げのように、
『こうするべきだ』というようなことを言うが。
この自分は、下から言葉を投げる、まるで地の底からの叫びのように、
『こうでありたいんだ』と言っている。

また過ちがやってくるかもしれない。それでも、と願う。
そんな自分の本心。そう。嘘ではない。
手を、伸ばした。
放置しなければ、なんとかなるかもしれない。
ゆっくりと、その自分が伸ばしたオレの手を取る。
グッと握る。
すると、風が吹き荒れて。
また1つの自分へと帰って行った。

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