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改めて問う


悲しい。苦しい。
言葉を連ねるのは簡単だ。
オレはどうなってしまうんだろう。
深く思う。深く問う。

自分の中にある自分への言葉は、いつだって否定の言葉ばかりだ。
だとするなら。
オレが聞いている言葉は誰の言葉なのか。
そもそもオレに誰かの言葉など聞こえているのだろうか。
分からない。
ただ。
その言葉はどうにもこうにも大きく聞こえて。
優しさに満ちた叫びのような、悲鳴のような。
そんなふうに聞こえる。

オレはいつだって自分を殺すために必死だった。
今だってそうだ。
オレは自分を殺すために必死なんだ。
これは誰のためでもない。
自分のためだ。
でも何かが「それは他に対する優しさだ」と言う。
違う。こんなもの優しさじゃない。
そう否定すると、その何かは強く反発する。
それは何故なんだろうか。
オレが優しい?
優しいって、なんなんだよ。
説明しろよ。してみろよ。

「愛しているんだろう?」と言う。
馬鹿げた質問じゃないか。
オレは無知無能なのに。
愛も何も知るもんか。
そう言って目を逸らそうとすると、逃がすまいとグッとこちらを見つめてくる。
仕方なしに冷ややかな視線で応対する。
が。
そうしたいはずなのに、どこか憂う感覚が浮かぶ。
やるせないような。諦めのような。そんな感覚。
悲しくなってくる。悲しさに覆われていく。
耐え切れなくて泣いてしまった。

「愛しているんだろう?」と、また問われる。
それは違う。それこれは別だ。
オレは何も知らない。
そこにある何かの目に、目でそう訴える。
すると、そんな何もないはずのオレの中に何かが入ってくる。
意識が朦朧とする中、何かに自分でも理解できていない感覚の源を掴まれる。
自分が理論で押さえ込んでいるものに、純粋に触れられる。
「愛しているんだろう?」と、3度目の言葉を投げかけられる。
触れられている部分から、大きなうねりを感じる。
言葉にできない感覚に襲われる。
波と言うには荒々しさがなく、風と言うには重々しい。
でも、間違いなく断言できる。
これは愛なんかじゃない。
ただの感覚だ。

相変わらず向けられた鋭い目は、オレをじっと捉えてる。
が、隙を見て目を閉じた。
しっかりと目を瞑った。
すると何かはそっと消えてしまった。
どこか「認めさせてやる」と言わんがばかりの
殺気に近い、強い気配を撒き散らしながら。

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