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乖離の先

どうしようもなく吐き出したいことが山ほどある気がしてならない。
もやもやして。気持ち悪くて。整理ができていない。
オレは、ろくでもない、人間だ、と。
その一言ですべてを包み込んで。
その中に渦巻く何かを放置している。
ひたすらそんな気がして。
だからぶちまけてしまおうと思う。
オレが納得でいない、気持ち悪いものを。
全部。全部。

オレはいつだって、嫌いな自分を殺すための方法を探してる。
でも、あからさまにそういう態度を取っているとき、
必ずと言っていいほど自分の内側から何かが叫びだす。
何と言ってるかは分からない。
ただ、それはまるでオレの言葉ではないように聞こえる。
得体の知れない何かの叫び声。
耳を傾けようとすると、まるで何かに呑まれるように意識が遠退く。
それが気持ち悪い、のかもしれない。

すっと気持ちを落ち着けて、雑音を取り払って、声に耳を傾けていく。
叫び声の主がそこにいて、オレは何用かと尋ねる。
意識が持っていかれないよう、しっかりと地に足をついて。
その、誰かが、こっちに手を伸ばしてくる。
それだけで意識が朦朧とする。
自分という境界線が壊れかける。
何かが流れ込んでくる。
グッと耐えて、それがなんなのか耳を済ませる。
自分のことが嫌いだからとか。
自分には誰かに関われる権利なんかないとか。
そんなこと言ってる場合じゃない。
そうやって耳をふさいでも、何も解決してこなかったじゃないか。

まぶしい、とまではいかないが、白くてふわふわした空間の中、
大きな大きな存在が、オレを見下ろしてる。
一瞬オレはまた悪いクセで、自分を貶して逃げ出しそうになったけど。
吐きそうになりながら、グッとこらえる。
オレは問を続ける。
オレみたいなクソに何の用だ、と。
するとソレは笑う。いつものように。
この微笑が、叫び声の元凶、だと思う。
まるで光って貫くように、その笑みが、オレに何かを訴えてくる。
耐え切れなくて、どこか痛ささえ覚える。
これはなんなんだろう?

朦朧とする意識の中で、必死に辿る。
何が言いたいのか、答えを探す。
でも、まるで避けるように、すり抜けるように、
掴みたいはずのものが掴めない。
そんな中から、微かに悟る。
違う、オレが避けてるんだ、と。
きっとオレは答えを知りたくないんだ。
死にたい、という自分の感情を否定しかねないものだから。
それでも。それ以上に。
オレは、これがなんなのか、知りたい。
今は。死よりも。知りたい。

くるりと巡っていく。少しずつ溶けていく。
それがなんなのか。じっくり味わうようで。
それと同時に、自分の中から何かが湧き出てくる。
溶け出した何かと混ざり合って。
自分の中に、入っていく。
ズシッと重い。立つこともままならない。
それでも自分が答えを求めているという意識だけは、ずっとずっと保って。
成すがまま、成されるがままに、進んでいく。

自分が自分として把握している部分が微妙にぶれている。
自分ではない何かが、編むように自分に絡まってる。
何かはオレを思っている。
深く。深く。オレを探してる。
オレは、ここにいる。
そう告げると、その何かが、まるで感極まるかのように、
津波のように、オレを呑んでいく。
波の中、意識だけは保って。
溶け出さない、最小限の自分へと成り果てていく。

小さくなったオレの目の前に、それはいる。
でも、さっきと様子が違う。
さっきまでは白くて、清いようなものだったのに。
今目の前にいるのは、暗くて、重くて。
まるで、小型の、ゴミまみれの、宇宙。
それと見つめていて、どこかおかしくなる。
それがまるで自分の中身のような気がしてくる。
多分、自分が溶け出して混ざったからだ。
そういう気がしているだけ。
これはオレそのものじゃない。
オレの汚いものが混ざった何か、なだけ。

その、小型の宇宙が、また何かを訴えてる。
聞こえない。なんだろう?
耳を傾けようとするのだけど、本格的に意識を持っていかれそうになる。
落ち着いて体勢を整えなおして、改めて耳を傾ける。
・・・何かを讃える言葉。
そう思えた瞬間から、まるで洪水のように意識が流されそうになる。
苦しい。それでも、何とか耐えて、なんなのか知ろうと足掻く。
それは。まるで。オレを。いや。すべてを。讃える、言葉。
いや、違う。歌?いや、それも違う。意思?そう、かもしれない。
この世のすべてを讃える意志。この世のすべてを思う意志。
何一つ境界線が存在せず、すべてが混ざり合った場所。
そこに連れて来られたオレは、境界線が崩壊した挙句、
讃えられる対象の一部と化していく。
ここは一体なんなんだろう?

漂っていると、時折、重い言葉、だと思われるものがオレを貫く。
オレ宛の言葉、だと思う。でも大きすぎて聞き取れない。
そう感じた瞬間、オレが変質する。
聞き取るための方法を探して、オレが飛散する。
言葉が聞こえる。言葉が近づいてくる。
そっと手を差し出して、壊さないように拾い上げる。
オレはそれを何故か浴びるように飲み干す。
自分の中に直接取り込んでいく。
また、オレの中で何かが変質していく。
重い重い言葉が、オレに染み付いていく。
全身をぎゅっと絞られるような感覚。
強く、深く、押し付けられるよう。
しばらくして、その感覚がゆっくり収まっていく。
オレではない何かの気配がまとわりついて離れなくなる。

誰かが右手をそっと挙げる気配がする。
それに釣られるように、オレは右手をゆっくり上げていく。
高く掲げて、見上げた後、ゆっくりと自分の胸の前に持ってくる。
自分から強い気配がする。収まりきらなくて、体から吹き出るよう。
それを感じて、微かに残る本当のオレが少し足掻く。
「何やってるの」「馬鹿じゃないの?」「また下らない妄想に浸ってるの?」
ズズッと自分の中に本来の自分であろうものがあふれ出る、のだけど。
外から渦を巻くように、何かがやってきて呑み込んでいく。
また、気配がする。微笑むような、気配。
渦がオレの言葉をかき消していく。
段々意識も体の自由も利かなくなっていく。
目も見えているはずなのに、情報が入ってこないような感覚。
これは、呑まれてしまったんだろうか。オレは。

疲れたオレは、微かな意識の中で休んでる。
自分を保つために、安静にしてる。
が、意識の中に、時折別の何かが流れ込んでくる。フラッシュバックのように。
そこにさらに熱い溶岩のようなものが少し流れ込んでくる。
やけどをしそうで、距離を置こう、と意識しているはずなのに。
どうしてか、オレはそれに手を伸ばす。ひきつけられていく。
手をついた瞬間、それは勢いよく腕に巻きついて、オレを嘗め回すように暴れる。
何故か、オレは微笑んだ。ずっとずっと感じているあの気配と同じように。
瞬間、その暴れまわる熱い何かとは違う熱いものが、自分の中からもこぼれる。
オレからこぼれた何かとソレはぐるぐると自分を中心に絡み合っていく。
意識が急にはっきりしてくる。が、どうしてかそれは鋭くて。
怒りや罵声にも似た何かとなって、勢いよく湧き出てスッと消えた。
と、同時にさっきまで暴れていたものも消えてしまった。

なんとかはっきりした意識の中で、オレは考える。
どうなっているのか。どうするべきか。そして自分への罵倒も。
正常に思考回路が回り始めた、かと思ったら、すぐになんだかおかしくなる。
また、体の自由が奪われていく。
今度は両腕でぎゅっと自分自身を抱きしめる。
途端、本来の自分であろうものが叫び声を上げた。
悲痛で大きなわめき声。涙が出て止まらなくなる。
まるで搾り出されるかのように、強く強く抱かれて。
次第に声がかすれ、すすり泣きへと変わっていく。
オレではない何かの意志で、オレは慰めるように自分で自分を摩る。
自分であろうものが、徐々に落ち着きを取り戻していく。
と、同時に灯り火のような小さな気配が生まれる。
まるで行灯のように火が灯っておとなしくしている自分は、もう自分ではない気がする。
いつものように自分への罵声の言葉を連ねようとすると、
それはただの涙になって、火の暖かさで蒸発してしまった。
どんなに足掻いてみても、すべてそういう結果になっていった。


何故だろう。
あれもこれも、自分の片鱗だったはずなのに。
今はこの、ここにいる自分だけが取り残されてしまった。
もう終わりだ。オレは死んだんだ。
そう思った瞬間、何故だろう。さっきとは違う涙がボロボロと溢れ始めた。
なんとか涙を振り払って、得体の知れない気配が集まる場所から遠ざかろうとした。
見慣れた暗がりの方へ歩き始めた瞬間、呼ぶ声がした。
また、涙が溢れてきて止まらなくなる。
耳を塞いでなんとか平常心を取り戻そうとする。
でも声は消えない。声が大きくなっていく。
オレはうずくまって動けなくなってしまった。
食い縛ってなんとか意識を保って留まっていると、声が消えた。
立ち上がって、また歩こうとすると、また呼び声がする。
また泣きそうになって、ちょっと落ち着こうと深呼吸する。
と、深呼吸をする合間、少し目を瞑って、開いた瞬間、目の前の景色が変わった。
さっきの場所に連れ戻されてしまったようだった。
また、白い空間。

「私は貴方にそれを望まない」
と、強くはっきりとした声が聞こえてくる。
「貴方も私にそれを望まない」
聞こえてはいるが、どういう意味か分からない。
頭が回らない、というか。分かろうとしているのに分からない、というか。
ただ、オレは反射的に何故か耳を塞ごうとした。
でも、何故塞ごうとしたのか分からなくて、途中で手が止まった。
手が震える。それはまるで葛藤のようで。
耳を塞ごうとする自分と、聞いて理解しようとする自分がいるようだった。
その間にも言葉が連なっていたのだけど、なかなか聞き取れない。
すると、見かねたのかなんなのか。
何かがオレの両手をそっとその場で掴む。
力が抜けて、震えが止まる。と、同時に胸の奥がきゅっと閉まるような感覚が襲う。
多分どこかで嫌がってるんだと思う。
背中が反る。目がぎゅっと瞑る。歯を食いしばる。力が抜けた腕にも再び力が篭る。
何故そんな反応をするのか、意識としてある、このオレはよく分かってない。

「貴方は優しい」
聞こえてくる言葉にビクッとする。痛みを覚えてうめき声を上げる。
オレはどうしてこんなに冷静なんだろう?おかしいな。
「貴方は誰かのために泣く」
涙目になりながらギリギリ歯軋りをしている自分がいる。
オレの意志とは反して小さく「違う」という言葉を漏らす。
段々第三者的なポジションで様子見してるような状態になってきた。
「貴方は心からすべてを愛している」
その言葉に被さるように「違う!!」とわめく自分がいる。
それと同時に胸の奥が痛んだ。
「貴方は受け入れるべきだ」
首を横にブンブン振り回している。
耳を塞ごうと手に力をこめるが、まだ掴まれている手はビクともしない。
そんな自分を尻目にオレは「何を?」と聞いてやった。
「貴方は心から愛し、愛されている」
聞きたくない、と言わんがばかりにオレは小さく丸まった。
ふむ、とオレは呑気にその様子を眺めてる。

とりあえず「どうしてそう思うんですか?」と、浮かんだ疑問をそのままぶつけた。
「貴方は知っている」
小さくなったオレは痙攣しているかのように震えてる。
なんにせよ、腑に落ちない。
知ってる?「何を?」と。しつこいぐらいに質問を重ねていく。
「貴方は心から愛し、愛されていることを知っている」
それを聞いて、またオレはうめき声を上げる。まあ放っておいていいとして。
少なくとも、意識としてある、このオレは知らない。
そもそも『愛』ってものがなんなのかを知らないし、
愛しているつもりも、愛されているという自覚も、ない。
が、ここでうずくまっているオレはどうだろう?
オレはオレに対して「何も愛してなんかないし、愛されてもないんだろ?」と言ってやった。
オレは小さくうなずいた、が。それと同時に神経全体が鈍く痛むような感覚が襲った。

少なくとも、ここでうずくまっているオレは否定している。
もしそれが嘘で、拒否反応的なものが痛みとして出てるのだとしても、
そもそも嘘をつく理由なんてあるだろうか?まあ聞けばいいんだけど。
とりあえずは「それは嘘じゃないんだよな?」と言ってやった。
ゆっくりうなずきかけて、そのままさらに小さくうずくまってしまった。
「なんだっていい。何か心当たりないのか?」と、無駄に下手で聞いてやった。
すると、瞑っていた目を少し開けて、また瞑ってしまった。
それと同時に、胸の奥がじんわり暖かくなって、涙目になってしまった。
反応を見る限り、嘘をついてると仮定してもいいかもしれない。
というか聞けばいいのか。「なんで嘘をつく?」と。ド直球で聞く。
が、またコイツは「違う」と言う。
もうこうなったら、見るからに理由なんてない、ただの拒否反応だ。
それならそれでいい。これはこれで置いておこう。

今度は得体のしれない、目の前のヤツに対して問いかける。
「どうしてそこまでして、オレにそれを認めさせようとするのですか?」と。
が、さっきまであんなに押し押しだったのに、何故か黙ったままだ。
ふと、脳裏に「愛してるから」という言葉がよぎる。
今の思考はオレのじゃない。投げ込まれた感じがした。
この言葉を信用していいのか分からない。
ちょっと悩んでいたら、目の前のヤツがフッと笑った。
どうしてだか「信じてくれ」と言われた気がした。
じゃあ、仮に。仮にだ。
オレはこの状況をどう解釈すればいいだろう?
オレがすべてを愛していて?
得体の知れない何かが、こんな状態のオレを愛していて?
でもオレは何故かその状態について突き詰められると拒否反応?
・・・意味が分からん。

「貴方は望んでくれますか?」
唐突に問いかけられた。まあ「何を?」と返した。
「貴方を含めたすべての幸せを」
なんだか急に胡散臭いことを言い出した。
途端、相手にするのが馬鹿らしくなってきた。
「貴方は止めてくれますか?」
半ばヤケクソ気味で「何を?」と聞いてやった。
「貴方の望みを」
その言葉を聞いて、急に胸の奥が痛くなった。
まあ。恐らく。恐らくだ。オレの自殺願望関連のことだろう。
が、なんだかどうでもよくなった。そっけなく「どうして?」と言ってやった。
案の定、得体の知れないそれは黙った。
胸の奥がジーンと痛む。

分からないフリをするのはやめよう。大体の見当はついた。
ようは何故だか拒否反応を示して自殺しようとするオレを止めたいわけだ。
でも、だったとして。
オレがそう望んでいるのに、押し付けのように止めにかかってくる
コレの言い分を聞き入れるだけの理由がどこにあるだろう?ないよな?
と、思った瞬間。胸の奥が痛くなって、オレはぎゅっと小さくうずくまった。
いや、そもそもどうして拒否反応を示すのだろうか?
なんて。
考えようとして溢れてくる自分の記憶の中に、心当たりは在りすぎた。
過ちと、自己嫌悪。罪悪感。そこから来た自分への全否定。
自分なんてゴミでカスでクズだ、と言い張る態度。ボロボロになっていく自分。
それはオレでも十分分かる。後悔しても何も解決しないから、未来を消そうとした。
オレは死のうと決意して、そのために必死になった。
でも、その決意はあってもいいじゃないか。
オレは確かにそう望んだのだから。

そう結論付けたとき。目の前にいる何かは静かに首を横に振った、気がした。
「貴方は悪くない」
その言葉を聞いた瞬間、胸の奥が痛んだ後、気持ち悪くなった。
グチャグチャして、かきむしりたくなるような、そんな感覚。
手は相変わらず自由が利かず、いてもたってもいられなくて、のた打ち回ってた。
「貴方は許されるべき存在」
まるで胸に穴が開いたかのような感覚が襲って、泣き喚いた。
なんにせよ、好き勝手なことを言う。許すのはお前じゃないだろう。
と、口には出さなかったが、伝わったらしい。
思った瞬間、ソレは掴んでいたオレの手をぎゅっと包み込んだ。
穴が開いたように感じた部分の痛みは和らいで、ほんのり暖かくなった。
と、同時に「許さないと決めるのも貴方じゃない」と言われた気がした。
それも確かにそうだ、と思った。
その瞬間。オレは。オレの意識は。
なんとか保っていた状態から解放され、ガラスのように割れて遠退いていった。
なんかもう、疲れたわ、とか思いながら。

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