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トントン、とリズムを刻むように、とりあえず数歩だけ歩む。
続けていけば道になるだろう。
辿るように。けれども未知の先へ。

気分は散歩。
見慣れたはずの世界を巡る。
とんでもなく殺風景で。
そういう結末を望み世界を壊したのは間違いなく自分で。
いろんなことがあったなぁ、なんて。
記憶を辿りながら、虚空を眺め歩く。

結局どうしたいんだろうか。
死にたい死にたいと騒ぎ続けて、そのくせに死ねず。
生きたいと思えるような理由も相変わらず無く。
人との繋がりは薄れて。
今になってようやく死ぬための方角を辿れるようになったんだろう。
ただ。そう。
きっかけを失ったのかもしれない。
自分のことを散々貶し、恨み、呪い。
それを他人に押し付けて理由に仕立て上げて。
「死にたい」という自己満でしかない感情を満たすためだけに。
オレは行動することができなくなってしまったのかもしれない。

自分では何も決められない。
けれども自分にしか決められない。
生きることは前々から選んではいなかった。
死ぬことすら選べなくなる。
ただただ流されるだけ。
面白くない、といえばそう。でもそれが理由にはならない。
それだけ。すべてが、ただ、それだけ。

確か、何かを、残してきた、はずなんだ。
失いたくない、変えたくない、何かを。
とんでもなく大切にしたくて。
だからこそ自分を殺そうとした、その原因が。
あったはずなんだ。
オレはそれを捨てたんだろうか。
理由にならない、と言って投げ捨てたんだろうか。
もしそうなら。
本当に。
オレには何もなくなってしまったんだろうな、と。
思う。