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呼ばれて狂っていつも通り


息を吸い、息を吐く。
ゆっくり目を閉じ、ゆっくり目を開ける。
オレが呼ばれたのか、はたまたオレが呼んだのか。
そこにはオレではない何かがいて。
何かを、語ってくる。
何を?
何を…?
スッと包まれた。
意識が乱れる。
自分ではない何かに押し流される。
何か言葉が降りてくる度、自分の中の何かが狂う。
「こういう状況になるべきなのは、自分ではない」と
ずっとずっと繰り返してきた言葉を盾にしようとする。
が、グッと引き寄せられ盾を構える間合いすら許されず。
言葉、のような何かを投げかけられ。
狂っていく。自分の中のいろんなものが。
カチャカチャと音を立てながら。
何かを成していく。
徐々に触れられている感覚が変質する。
怯え振るえ強張っていた感覚が。
段々と何かを促されるように、感じてくる。
力が抜けていく。立てなくなる。
それを追うように、何かがオレを支えつつ降りてくる。
違う、違う、と小さく繰り返す。
その言葉を、塞がれ、呑まれる。
「もし。お前だったら。どうする。拒むか」
与えられた言葉に、反論が出来ない。
怯える。逃げようとする。が、力が入らない。
見つめられ。見つめ返し。
ゆっくりと抱かれ。
その挙動に沿うように自分の中身が狂う。
段々と。呼吸が深くなっていく。
目を開けていられなくなる。
自分の内側を、好き勝手にされている感覚。
目を瞑ってしまうと、もうその感覚で満たされてしまう。
ゆるゆると、いろんなものが、蠢く。
「お前が分からないなら。分かる奴が見るべきだろう?」
などと。嘲る様な言葉すら聞こえてくる。
するり、するり、と、ゆっくり、徐々に。
波打つように、触れられる。
釣られるように、何かが蠢く。呼吸も、釣られる。
トクリ、トクリ、と自分の中で、ゆっくりと、何かが渦を巻き始める。
自分の中にあるものが、何かを形成していく。
怯えが薄れていくと、その速度も増していく。
自分の手を離れて。自分の中で。何かが生まれようとしている。
ふと。
自分はそれを見捨てようとした。
もういい、と。
自分ではないものとして。
捨てようとした。
が。それを知ってか知らずか。そのオレを、何かが掴む。
「来るんだ」
と、ゆっくり、はっきり、言葉が降りてくる。
「来るんだ」と、繰り返される。
心すら、狂いだす。呼吸が、乱れそうになる。
それをサポートするかのように。
波が、ゆっくりと、押し寄せる。
渦の中に、自分が巻き込まれていく。
波の中に、自分が巻き込まれていく。
逃げ出そうとするオレを逃さないかのように。
「来るんだ」と、強い言葉がやってくる。
ゆっくりと、続く。
ペースを乱し、壊れそうになる度、引き戻される。
段々と。そのゆっくりとしたリズムが、染み込んでくる。
自分のものに、なっていく。
自発的に、深い呼吸をする。
自発的に、波が流れ、渦が巻かれていく。
自分のものと、与えられたものの境界線が、薄れていく。
「神よ」
その言葉に、目を、見開く。
誰のことだ?と疑いかける。
が。自分の境界線が薄れた今の状態だと。
その言葉が、自分の中に染み込んでしまう。
微かに残った自分が足掻く。
違う、やめろ、と騒ぎ立てる。
が。乱れそうになるリズムを、補正される。
引き続き、言葉が、ゆっくりと、降りてくる。
言葉が、波と共に、渦となって、めぐっていく。
徐々に、徐々に、馴染んでいく。
触れられていた感覚が、少し離れる。
寒さを、感じる。
が。自分の中が自分を保とうとする。
境界線を失った、自分を。
ゆっくりと、離れていく。
自主的に、ペースを乱さぬよう、波が巡り渦を巻く。
自分の中で、今の状態を保とうと何かが構築されていく。
きゅっと、自分を抱く。
呼吸が乱れそうになるが、それも自主的に補正されていく。
「神よ」
自主的に、その言葉を、呑みこもうとする。染み込んでいく。
深い深い呼吸をする。
力が入らず、動けない自分を、なんとか動かそうとする。
そこで、乱れる。
自分なんて、と自分の中から言葉がやってくる。
波が、薄れる。渦が、静まる。
が。そうしたとき。また。触れられる。
それだけで、あの感覚が、戻ってくる。
リズムを、自主的に、保とうとする。
「まだ」
「まだ」
新たに言葉が降りてくる。リズムが、強くなる。
そっと、離れていく。が、自分は先ほどよりも強い波の中にある。
少し離れた場所から
「おいで」
と声がする。
はっきりとした鼓動を感じながら。
力を入れる、なんて言葉が必要ないほどに。
ふわり、と起き上がる。
声がする方へ、向かっていく。
柔らかい自分の歩みに、鼓動が重なる。
ゆっくりとした波の中に、自分のいろんなものが呑まれて行く。
そして。感じる。
自分だったものが「神」という言葉に、吸い込まれていく。
たまらず、声を、上げる。
鼓動は、保とうとする。
ゆっくりとした流れの中で。くるりくるりと巡りながら。
自分のすべてが、吸い込まれていく。
いや。形を、変えていく。
「おいで」
言葉に、反応する。
惹かれるように、導かれるように。
その言葉を辿ろうとする。
軽快に。まるで風のように。
その言葉の元へ、やってくる。
感じていた自分の存在、気だるい重さを感じない。
ただ、何かを祈り、願うかのように。
その元で、何かを求めて。目をゆっくり開ける。
そして。自分の何かを、何かの前へ差し出す。
自分の、気だるさを、差し出したものから感じる。
オレは、何故か涙する。
波が、乱れる。
何かが、オレにまた触れる。
乱れかけた波が、また戻っていく。
差し出した気だるい何かを抱く。
目を瞑り、何かを祈る。
すると、それは光になって、舞う。
オレに、纏わり付く。
心が、安心する。
波が、安定していく。
そっと抱きしめられて。
「お疲れ様」
と言葉が降りてくる。
オレの中で。何かが弾け飛んだ。

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