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君と


君を前にして、すべてに興味をなくし自暴自棄になったような態度を取る。
こうなることを君は悟っていたし、自分自身もよく分かっていた。
ただただ時間を止めることができず、
目に見えていた未来を何一つ変えられなかっただけの話。
いや、変えようとしていなかったのだけども。

君は悲しそうな顔をする。
あれほどまでに拒んでいた結果がここにあるのだから。
そんな顔になったって仕方ない。
うつむき君は泣き出した。悔しい、悔しい、と。
言葉になりきれないぐらいにグズグズな音になりながら。
それでも静かに、静かに、泣き出した。

お互い望んでいた結果があるのだろう。
けれども何一つ叶わないまま。
必死に追いかけた『答え』は姿を潜め、虚空へと消え去った。
君は最初から知っていた。
求めていたもの、『答え』がないということを。
なぜなら、ないということを証明したかったのだから。
存在しない、ということを証明したかったのだから。

君の望みは複雑だった。
表面上は、そんな存在しない『答え』を求めることだった。
裏にあったのは、『答え』が存在しないことの証明だった。
今あるのは、その表裏を含めた概念そのもの。
完全なる『答え』はどこにも存在しておらず、
だからこそ不完全な『答え』を創り続けている、ということ。

君はオレに向かって誓う。訴える。
「不完全な『答え』ならいらない。消えろ」と。
ごもっともだ。反論する余地はどこにもない。
完全であろうとする君はいつだって正しい。
けれども、君はそんな不完全に向かって
「可能性はすべてに存在しているのに」とも言う。
泣きながら。祈るように。
不完全を抱擁する本当の完全が、君には見えているのだろう。
見えているのに手が届かないからこそ、泣いているのだろう。
それが君の正しさなんだろう。

どうか。
君が君でいられますように。
オレがどんなに不完全でクソな存在になっても。
君は君でいられますように。
世界が世界として存在できますように。
そう、君に宣言して。
オレは踵を返した。

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