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生じる火花


思い返すたびに自分の愚かさを嘆くも
まるで引きずられるかのように遠くまで突き進み
ただただ愚かな行為を繰り返しているだけの自分に
苛立ちと恨みと憎しみと嫌悪と・・・ありとあらゆる刃を向ける。
怒り嘆きを自分にぶつける。
でも何も変わらない。
自分では何も変えられない。
ただ。
言いたいことがある。伝えたいことがある。
はっきりと言葉にしなければならないことがある。
そうでなければ、怒り狂う自分を宥めることなんかできない。
納得させることなんかできない。
得てしまった何かを、オレは、自分に、渡さなければ。

確かに自分は何も知らない。
だから与えられたすべてが正しい。
それは自分すらも含めるべきもの。
自分は自分が間違っていることを知らない。
自分が正しいということも知らない。
自分である権利を持っていたとしても理解していない。
だからこそ。
否定なんかできない。決定なんかできない。
自分には何も。ない。何一つ。ない。

ただ。一つ。たった一つ。
自分が理解でき、自分に一番近いもの。
『自分』という、この、存在。
自分ではない何かと繋がっていると思われる『自分』という存在。
『自分』は自分ではないもの、他を訴える。
他は訴える。自分に向かって。『自分』を通じて。
そこに生じる対話は、価値を生み、意味を生む。
自分自身に価値はない。意味もない。
他も同じく価値も意味もない。
価値があり意味があるのは対話。その動ある瞬間。
まるで火花のように散り、一瞬で消える。
永遠の価値には成り得ず、永遠の意味を持つわけでもない。
儚く淡く弱く脆い。
モノに意味や価値を求めるのが過ちなんだ。
そこに生じる対話こそ、少なからず人が求めているものだ。

世界にとってこの火花は価値があり意味があるものなのだろうか。
そこが問題だ。
そもそもオレが存在を疑うその現象は、どこを指しているのだろうか。
それは未だに分からない。
でも。少し。何かがぼやけて見えるような。何もないような。
そんな感覚。

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