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狂った感覚


デジャブのように思い出したことを、
ちゃんと思い返そうと、自分の昔を掘り返す。
はじめてコレを感じたあの時、あの頃の自分は、
どんなことを思っていたのだろう、と。

そこには為体の知れない不安があった。
どうすることもできない現実があった。

人の前で腕を抉る。腕に殺せと字を掘り歩く。
人の首を絞めて「殺さないなら殺す」と泣いた3時間。
オレの愚かさにブチぎれ、パソコンや携帯を壊し、
挙げ句、吐き気を訴える親。
それでも自分が幸せだと感じていた自分は狂っていたのか?
いや、確かに幸せだった、と改めて思う。

教室で泣いて動けなくなって、ハンカチを貸してくれた人。
勉強という勉強もせず、死ぬことばかり話すオレを
どうにかしようと泣いた人。
必死に自分には理解できないなにか大切なことを訴える人。
そこには確かに誰かがいて、そこには確かに自分がいた。
それは不幸だったか?
いや。
分からず屋で我が儘な自分が、全部をぶち壊しただけだ。



ある誕生日の文章。

おめでとうおめでとう。
みんなに囲まれ笑うこと時。
結局何人ぐらいに言われた?20人ぐらい?
会わなかった人もいるからまだ増えそうだ。
オレは一切何も言わなかったのに。
手作りのものから手紙までもらってしまった。
オレが誰かの誕生日に何かをあげたことがあった?
迷惑しかかけてないだろう?いつか殺されるかもしれなくても?
大学に入っても、会おうね。絶対会おうね。
大体この馬鹿が高校卒業出来ると思うことそのものが
世間を甘く見ている証拠じゃないのか?
嫌いと言われないことが逆に辛い。
自分の自信に呑まれて他人を見れなくなりそうで。
誰かを傷付けた確信も掴めなくて、
すべてを控えなきゃまた傷付けてしまいそうで。
自己中な自分をさらけ出したらまた嫌悪という形で誰かを傷付けそうで。
それこそが罪。

20人に祝ってもらった?
最低その20人全員の気持ちを全部踏みにじったわけだ。
ゴミに対して幸せがインフレしてやがる。



ある日のアホな会話。

「ブンちゃんブンちゃん!」
「・・・・・・」
「あぁんブンちゃん最近冷たい〜!!」
「それはきっとブンちゃんの愛やで!!」
「そうやんな愛やんな!!愛が痛いわぁ〜!!」
「・・・・・・(しかめっ面)」
「いやんブンちゃんかわいい〜!」
「ほっといたら違うメスライオンに取られちゃうでっ!」
「そうやん!私というメスライオンがいながらっ!
そんなん絶対許さへんでっ!!」
「・・・・・・」
「もー!ブンちゃん・・・っ!!」
「何かあったら何でも言ってや?なくなら私の胸の中で泣きなさいっ!!」
「・・・・・・だあぁもうお主らワケわからんのじゃああぁぁっ!!!」

今ならこんなセリフ絶対言われない。
そう思えるとちょっと気が楽になる。そろそろ赤の他人になれただろうか。
こんな馬鹿を気に留めずに楽しくやれているだろうか。
それを喜ばずして何を喜ぶ?



ある日の一文。

つか未だに手首切る直前に友達に取り上げられた
カッターナイフ帰って来てないな・・・

おい。それ返してもらったか?
返してもらったら目の前で自分の手首切ってやれ。
止めようとしたら殺せばいい。
馬鹿を生かそうとしたお前が悪いんだ、って。



きっと、昔見た理想がすぐそこまで来てる。
自分死んでも誰も文句を言わないその時が。
オレは十分幸せだったし。
それを受け入れなかったオレがおかしなヤツで。
狂った馬鹿野郎だった、と。
笑ってくれる日が来る。

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