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無力さ炸裂

なんか。当たってる。
大きなお腹だ。じんわり汗。何事ですか。
「すみません」
近い。近すぎるぞ。お腹のぽよぽよの感覚が気になる。
「はい?」
「バスっていつ来ます?」
「えぇっと・・・この列の一番前に時刻表があると思うんですが・・・」
「あぁ、僕、身体障害者でね。読めないんよ」
・・・おぉ。それは。
えっと・・・いや、とにかくだ。
「どこへ行かれるんですか?」
「大学に・・・」
あぁ・・・適当な時間に来るから時間なんか気にした事が・・・
「一緒にバス乗ってくれませんか?」
「それは・・・構わないんですけど・・・」
前方に続く人の列。
「言って席を空けてもらわないと座れないかもしれませんね・・・」
「・・・僕ね。すぐに漏らしてしまうんよ。やっぱり困るよね・・・」
な、なんと・・・それは・・・
「いつもなら面倒見てくれる人がおるんやけど・・・」
あぁ〜なるほど。そういうことですか。
でも、そんな人がついて見ないといけないような状況に
オレなんかが対応できるかどうか・・・
「と、とりあえず運転手さんに相談した方がいいかもしれませんね・・・」
「あぁ・・・うん・・・困るよね・・・」
あぁぁ。
「違う方法で行ってみるわ」
そう言い残して行ってしまった。
結局空いていた席に座って。
じんわり残ったさっきの人のお腹の感触がテンションを下げる下げる。
そして冷静になって。
・・・そうだよ。
どの道大学に着けば良かったんだから、一番被害が少ないであろう
タクシーに一緒に乗って行けば良かったんじゃないのか?
結局見放すしか無かった自分に絶望。
この役立たず。
でもって。気になるのは。
どうしてあんなに長い列の中、オレに話しかけて来たのか。
たまたまにしても、妙な感じがして仕方が無い。
う〜ん。う〜ん。

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